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安英学の「言葉の力」

 5月16日付から本紙でJリーガー・安英学選手の連載を始めた(毎週金曜日に掲載)。久しぶりにのめり込んだ取材で、多方面からこの記事に関しての反響が多数あった事に少々驚いている。感想の多くが、「安の人柄や言いたい事がよく表れている」というもの。

 W杯アジア最終予選、2月9日の日本戦以降、安に関する記事を片っ端から読んで気づいたことが一つある。Jリーグでの意気込みやさまざまな角度からのインタビュー記事があったが、「在日・安」としての立場や心境が語られる記事が少なかった点だ。

 記者と安選手との初めての出会いは、新潟県中越地震があった昨年10月末。当時はアルビレックス新潟に所属。「被災同胞への激励メッセージがほしい」との朝青員の電話一本で、総聯本部に駆けつけてきた時だ。「プロ選手が、電話一本でこんな簡単に…」。気さくな安選手の姿を見て、「本当の姿に迫ってみたい」。この思いが連載執筆のきっかけとなった。

 安選手の活躍に同胞たちは胸を躍らせた。「『在日の星』の誕生」。でも本人にその気負いはない。プロとして好きなサッカーをまっとうする。それだけだ。でも、「自分は在日朝鮮人。活躍することで同胞たちに力を与える役割がついてくる」と。

 連載に書けなかった内容をここで一つ。W杯最終予選前からメディアの取材に応じていたことに何か意図があったのかを聞いた。

 「朝鮮代表に対してわからないから想像をふくらませて『不気味だ』『怖い』とか報道する。まちがった情報をもとにいろいろ言われるのは嫌だったので、実際に選手たちと接して感じたことをきちんと言わなければと思った。選手たちはみんなと変わりない青年。負けたら本国で罰が待っているなんてありえないし、きちんと伝えて世論に判断してもらおうと」

 まっすぐで力強い言葉が胸に突き刺さる。(c)

[朝鮮新報 2005.6.1]