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「われらのチャンプ」

 「洪昌守の試合をすっかり忘れるお前は非国民」。

 同級生が設けているホームページの掲示板で、試合放送を見忘れた友人に対して書き込まれたものだ。「非国民」という表現はさておき、見事世界王者に返り咲いた洪昌守選手への想いが込められた一言だ。

 「われらのチャンプ」「民族の英雄」と称された洪選手。それだけに約1年前の同胞たちの落胆は言い表せない。彼の人気の理由は初の在日王者、強くてかっこいいチャンピオンであるだけではない。

 世界に挑戦するにあたって「同胞のために勝つ」とコメントした洪選手。王者になってからは各地の朝鮮学校やイベントに駆けつけ、同胞たちと子どもたちに笑顔を与え続けた。毎年行われる中央体育大会のボクシング部門の試合にも足を運んだ。

 記者の母校を訪問したこともある。「田舎の小さな学校に…」と思ったものだ。連日続く「北朝鮮バッシング」のなか意気消沈する後輩たちは洪選手の訪問で元気を取り戻し、父母たちはその姿に安堵した。そんな洪選手だったからこそ先日の王者奪還は、同胞にとって本当にうれしいニュースだった。

 洪選手だけではなく、サッカー朝鮮代表である安英学、李漢宰選手も拉致問題以降朝鮮学校をたびたび訪れ子どもたちを元気づけている。

 同胞たちはそんな彼らの姿に親しみを覚え、息子として、弟として、兄として愛するようになったのではないだろうか。

 そんな同胞の思いに応えるかのように、再び世界王者となった洪選手。その大事な試合を「すっかり忘れていた」とあっては、冒頭の同級生の怒りも理解できる。

 かくいう記者もその一人。見逃したこともそうだが、同胞と歓喜を分かち合う絶好のチャンスを逃したことを心底悔いているところだ。(麗)

[朝鮮新報 2005.7.26]