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〈長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼早朝集会〉 同胞被爆者と日本市民ら250人が参加

「在外被爆者にも平等な待遇を」

集会には250人の同胞被爆者、日本市民らが参加した

 長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼早朝集会(主催=「長崎在日朝鮮人の人権を守る会」)が9日、長崎市松山町の原爆公園内にある長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼碑前で行われ、同胞10人と南の被爆者20人、日本市民ら200人をはじめとする250人が参加した。

 長崎市に原爆が投下されて60年になる同日朝7時半、追悼碑の前で集会が始まった。

 集会では、参加者全員が約1万人の朝鮮人犠牲者の冥福を祈って黙祷を捧げ、 総連長崎県本部と朝鮮人被爆者協議会をはじめとする各代表らによる献花が行われた。

 つづいて各代表らがあいさつした。

追悼碑に献花する参加者ら

 入院中の病弱な体にも関わらず、車椅子に乗って集会に参加した長崎県朝鮮人被爆者協議会の朴a奎会長(80)は、原爆により犠牲になった朝鮮人の無念について述べながら、核問題の根本的解決のためには米国の核政策の変更が必要不可欠であると指摘。一日も早い祖国の統一をと、声も切れぎれに訴えた。

 また、 総連長崎県本部の金清吉委員長は、60年前、植民地統治下で日本に強制連行され、牛馬のごとく酷使されたあげく、解放の6日前に原爆の犠牲となった同胞たちの怒りは計りしれないと強調。原爆を落とされた理由を歴史の教訓にするどころか、逆に在外被爆者に対する補償問題、独島領有権の主張、歴史わい曲、戦争のできる「普通の国」への準備など、軍国主義を復活させつつある最近の日本の動きを非難した。そして、具体的な反核、反戦、平和運動に取り組むよう訴えた。

各代表らは在外被爆者への平等な待遇などを訴えた

 南に在住する被爆者を代表してあいさつした韓国原爆被害者協会の郭貴勲会長は、南の被爆者問題だけではなく、手付かず状態になっている北の被爆者問題の解決を切に訴えた。

 集会では、米軍基地反対市民団体の都裕史氏と南の僧侶たちがそれぞれアピールと読経を行い、長崎市市民生活部長が伊藤一長・長崎市長のメッセージを代読した。

 最後に、主催者を代表して高實康稔代表が集会メッセージを朗読した。

 高實代表はメッセージを通じ、被爆60周年と声高に言われる時、日本の朝鮮、中国侵略とアジア侵略戦争の歴史がどこか軽視されているように思えてならないと述べながら、日本政府は被爆者援護法を在外被爆者に適用することにおいて、いまだ排外主義を改めようとしていないと非難した。

 そのうえで、▲在外被爆者に対する全面的な平等待遇を「時効」なく実施すること、▲ドイツにならい、抜本的な戦後補償法を制定すること、▲平壌宣言に基づき、朝鮮と早期に国交を樹立すること、▲イラク戦争への加担をやめ、速やかに自衛隊を撤退させること−などを日本政府に要求した。

 その後、参加者一人ひとりが朝鮮人原爆犠牲者追悼碑に白いゆりの花を献花して、犠牲者の冥福を祈った。

  総連の代表5人は、同日行われた長崎市平和祈念式典に参加し、献花した。【長崎支局】

総連広島県本部代表ら 慰霊式、平和祈念式に参加

 一方、 総連広島県本部の代表らは6日、広島市中区の平和記念公園で行われた原爆死没者慰霊式、平和祈念式(主催=広島市)に参加し、献花した。

[朝鮮新報 2005.8.16]