top_rogo.gif (16396 bytes)

〈朝鮮の食料問題解決とジャガイモ栽培E〉 イモを凍結させない温度調整

1年目の教訓

 代表団が初年度の試験栽培で得た教訓は大体つぎのようなものだった。

 まず第1に、試験圃場の整地を適正に行うことであった。初年度に定められた試験圃場は前にも述べたように、前作が小麦だったこともあって多年草雑草、とくにシバムギの根がはびこり、長雨や集中豪雨のあと停滞水があちこちにできて多くの株が水に浸ったままであったりで排水条件が非常に悪かった。

 7月に1カ所で発生した疫病が雨期に入って爆発的に拡がり、ジャガイモの生育に壊滅的な打撃を与えたのは当然の結末だったといえよう。

 このことは起耕から砕土に至るまで整地をしっかりとやり、作条作業や覆土作業も適正に行うこと、とくに中耕除草をしながら手でシバムギなどの根を拾うようにこまめに作業を進めることが重要であることを示している。

 代表団の得たもうひとつの教訓は、栽培技術の科学的水準を高めることであった。

 初年度に大紅湍では種イモを、ビニールハウスの中で積み重ね浴光処理を行った結果、昼夜の温度差がひどく黒色心腐病にかかり生気を失った種イモが多くでてしまった。

 したがってジャガイモ生産でまず重要なことは種イモを絶対に凍結させないこと、また浴光催芽でも5〜20℃の温度条件を満たすことなど温度調節を正確に行って、種イモの管理と浴光催芽を適正に実行することである。

 また代表団の現地入りが遅れた関係で栽植時期が大幅におくれたことを省みて、4月末までには植え付けを終えるよう訪朝の時期もそれに合わせること、そして栽植後の仮培土、半培土、本培土も生育時期に合わせ作業を推し進めることが重要だとされた。

大紅湍試験圃の整地風景(01年5月)

 また農薬散布の問題もある。疫病は予防が大事で発生後の農薬処理はあまり意味がない。

 収穫まで7〜8回の散布は必ず実行し、液量を十分に補い水圧を高め農薬が下葉あるいは全体に行き渡るように散布することと同時に、アブラムシ対策を講じその防除体制をとることなどが重要だとされた。

 代表団はこのような教訓を生かし試験栽培2年目の目標を立ててその準備にとりかかった。

 収穫の目標

 各品種で60トン/ヘクタールの収量を上げること。そのために品種の特性をよく調査し大紅湍の土地条件に合った適地適作を行う。

 試験圃の条件

 排水良好で雑草防除など整地ができている規格化された圃場10ヘクタール。

 栽培方法

 新しい方式による営農作業を行う。

 とくに浴光催芽は、4月1日から30日の間に行い3回の培土作業を必ず実行する。

 6月末(着蕾期)から8月(収穫期)にかけて計8回の農薬散布を行う。

 収穫は9月初旬〜中旬にかけて行う(時期は品種によって多少異なる)。

 この目標達成のため、2002年度営農作業に必要なものとして耐病性品種の種イモ、農薬、肥料、ミニコンテナ、培土機(かまぼこ型)などを準備することを決めた。

 次回からは試験栽培2年目の活動と経験について述べることにする。(洪彰澤、元朝鮮大学校教授)

[朝鮮新報 2005.9.10]