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限定もの「横断幕」

 インターハイ競泳に2年連続で出場した九州朝高の金亜蘭選手(高2)と1年ぶりの再会を果たした。顔つきも言葉も昨年とは確実に違っていた。高級部1年から県代表として全国大会に出場したのだからたいしたもの。「水泳」とは無縁と思われていたウリハッキョからインターハイ選手が出てきたことに正直驚いた。

 昨年、初めて「水泳」というものに触れた。それまではまったく未知の世界だった。それは記者が直接「水泳」というスポーツに触れる機会が少なかったからだ。記者が通った朝鮮学校にはプールがなかった。全国でも朝鮮学校にはプールがないため水泳部もない。それだけ泳ぎ≠ノは関心がなかったのが正直なところ。それをくつがえしてくれたのが金選手だった。

 話は変わる。会場に入ると応援に興じるたくさんの日本高校生らと2階席にびっしりと掲げられた横断幕が目に飛び込んでくる。

 昨年、金選手の応援は担当教員と家族だけ。もちろん横断幕なんてものはない。しかし今回、競泳会場にはウリマルで「クンヂ(誇り)」「トゥヂ(闘志)」の文字と「九州朝鮮中高級学校・水泳部」と書かれた横断幕が掲げられていた。これはアボジとオモニが学校と協力し、自前で作ったものだ。同校に水泳部はないが、いわく「競泳大会に出場する間の限定もの」。

 そして、極めつけは九州中高の最寄りの折尾駅に、金選手の全国大会2年連続出場を知らせる横断幕を掲げたのも親ということ。家族と二人三脚で水泳に打ち込む姿が想像できる。

 今回、金選手は自由形100、200メートル予選に出場したが敗退。予選一種目には最大8組、約60人の選手が出場するが決勝に上がれるのはたったの8人。狭き門だが、「来年は必ず決勝へ残る」とその決意は固い。来年こそは電光掲示板の「九州朝鮮 金亜蘭」の文字が表彰台と共に見られることを期待したい。(c)

[朝鮮新報 2005.9.13]