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待ち遠しい「デビュー」

 「同胞のいる施設でサービスを受けたい」−介護を必要とする同胞高齢者が切に感じていることだ。

 昨今、高齢化が進み、福祉活動に関する取り組みが高まっている。同胞社会においても同じで、10年後には同胞の5人に1人が65歳以上になるという。「同胞福祉エキスパート」を求める声は全国的に高まっている。

 そんな中、朝鮮大学校では今年4月から、短期学部生活科学科に福祉コースが新設された。ここでは独自の学習方法で、「ウリ福祉専門家」を育てるためのカリキュラムが組まれている。学生たちは、日々レポートなどの課題が提示される「NHK学園(通信教育)」とのダブルスクールにより、「介護福祉士」の資格取得を2年間で目指す。同学部福祉コースの学生らは週に4回、グループ学習により、レポート作成、ビデオ学習などを行いながら、特別講義、同胞福祉施設での実習などを行う。グループ学習では、学生らが「一番良い部分」と強調する、NHK学園で提示されたレポートなど自習で解決できなかった部分を「ディスカッション」によって「一緒」に作成していく。

 また、同胞福祉専門家の特別講義を通じて各地での実態を直接聞き、同胞福祉施設を訪ねて同胞高齢者と直接接することにより、同胞高齢者福祉の必要性を肌で感じ、実態をより具現化していく。それ以外の時間は生活科学科の学生らと共に調理実習、被服実習、総合実習などの授業も受ける。同学部の権文柱学部長は当初、学生らの負担軽減を考え、生活科学科の実習のうち、いくつかはカリキュラムから抜くことを検討したが、NHK学園側から「ぜひ続けてくれ」と言われたという。多方面的な知識習得が介護福祉士を目指すうえで重要なようだ。

 未来の「ウリ福祉専門家」の中には社会福祉士を目指す学生もいる。「デビュー」が待ち遠しい。(東)

[朝鮮新報 2005.10.12]