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〈朝鮮の食料問題解決とジャガイモ栽培L〉 講習会で意見交換

技術指導

 代表団はジャガイモの2毛作試験栽培を成功させるために、現地の人たちと農業気象観測や地温測定などの観察記録、生育調査記録や写真記録などを正確に行い、種イモの消毒や浴光催芽、定植や培土作業、農薬散布などの営農作業を科学的に行うための技術指導をある時は講習会の形で、ある時はミーティングの場での意見交換という形で機会あるごとに行ってきた。

 ここでは浴光催芽と定植に対する指導、それに講習会での指導について述べて見ようと思う。浴光催芽は初期生育を促進し塊茎の早期肥大を促すということで、多収穫の重要な担保となる。

 とくに2毛作農業では、生育に必要な期間を最小限に保障するためにどうしても早期栽培が必要になってくる。しかし2月、3月は黄海南道の暖かい地方でもまだ土が凍って固いので植えることができない。そこで定植前の種イモの処理が重要になってくるのである。

 代表団は2月25日に現地入りして種イモ消毒と浴光催芽の重要性を現地の作業員に講義し、さっそく種イモの消毒に着手した。

大紅湍での男爵イモの浴光風景(01年5月)

 試験区別の品種ごとに消毒した種イモはよく乾かし、玉ねぎ袋に入れて浴光場として造られたビニールテントの簡易温室に運び入れた。

 浴光場の管理を託された作業員には温度を10〜20℃に調節し、20℃以上には絶対に上げないこと、また5℃以下には絶対下げないように暖房器具を準備するよう依頼した。

 また、光の照射を平均して受けられるよう、ジャガイモの位置を上下左右に置き換えることや20〜30日間の浴光処理で2〜5ミリ程度の濃緑色を帯びた芽が出ることを教えた。

 試験区別の定植に対してはまず畦幅75ミリ、株間25センチの間隔で3月14日から時期別精密試験区の第1期定植を行い、2回目からは3月20日、25日、4月1日に定植を行うよう指導した。

 3月の23日には品種比較試験区と一般試験区に10品種のイモをいっせいに植え、24日には栽植密度試験区と切断方法試験区、それに無肥料試験区とEM試験区にそれぞれ定植した。

 定植を終えた時点で協同農業関係者と郡の経営委員会の幹部たちと今回の試験栽培について意見交換を行った。

 その席で代表団は、「試験圃がもっと整地されていればもっと収量が上がるだろう。10センチもっと深く起耕すれば10トン、20センチもっと深耕すれば20トンは増収できるのに残念だ。せめて培土機で高畦を造ることでしのぐしかない」と提言した。この提言は現地の人たちにとっては心の痛む指摘だったと思う。

 代表団はこのような技術指導に合わせて、現地の責任者や作業員たちに講習という形で農作業を科学的に行うことの重要性について強調した。

 まず代表団の一人が講義を行い、その後に質疑応答し活発に意見交換を行った。主な内容は次の通りである。

 第1回目の講義は「2毛作ジャガイモ生産で目標を達成するにはどうすれば良いのか」について行い、信川郡は気象条件、土壌条件などに恵まれてはいるが、このほかに厳格な採種体系で生産された無ビールス種イモを使うことと、種イモの貯蔵と消毒、浴光催芽と培土作業など科学的な栽培技術を導入しなければ収量を上げることはできないということを解説した。

 2回目の講義は「ジャガイモ栽培で科学的な営農技術を導入すること」について行い、採種体系の重要性、早期栽培による多収穫目標、培土作業の重要性などを強調した。

 3回目の講義は、「ジャガイモの生育調査と収穫調査の方法と要領」について行い、ジャガイモ単作と2毛作との違いについて説明した。

 次は2毛作試験栽培の結果について報告する。(洪彰澤、元朝鮮大学校教授)

[朝鮮新報 2005.10.23]