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白頭山で出会った青年

 10月上旬、白頭山地区を訪れた。2000年から始まった一大建設プロジェクトのもと、新しく生まれ変わった白頭山一帯を取材するためだ。

 出発2日前に急きょ決まった取材だったため、単身での取材旅行となったうえ、関係者への取材アポも満足に取れなかった。

 不安の先立つ旅だったが、三池淵行きの飛行機に同乗した1人の青年が現地での案内役を買ってでてくれた。29歳になる彼は海外同胞事業局の職員で、聞けば、白頭山地区の建設に3年来従事していて、書類上の手続きのために平壌に戻り、また建設現場にとんぼ返りする途中だという。

 白頭山地区の移り変わりを3年にわたり直接見続けており、現地での案内役兼取材における貴重な情報源となってくれた。年が近いこともあってすぐに意気投合し、現場でのいろいろな体験談を話してくれた。

 「初めて家を一軒建てたとき、住民が涙を流しながら喜んでくれたことが、今でも忘れられないんです」

 大自然の厳しい環境の中で昼夜なく働く毎日だが、朝鮮の青年らは現実の中で鍛えられ、たくさんのことを学ぶのだという。

 三池淵郡の建設が一段落したのち、今年から三水発電所の建設にあたっている。熱気にあふれる建設現場の雰囲気を熱っぽく話してくれた。

 朝鮮では青年たちの力によって完成された重要対象物がいくつもある。経済建設の最前線に立ち、使命感に燃えている青年の姿が白頭山にもあった。

 「ここで出会った人たちは、互いのことを『白頭山同志』と呼び合うのです」と言う。1泊2日の短い出会いだったが、彼との関係も「白頭山同志」になるのだろうか。

 次回は、三水発電所の建設現場を取材しに行こうと思う。来年の雪解けの頃、労働に汗を流す同僚にまじり、一段と成長した姿で彼は迎えてくれるはずだ。(相)

[朝鮮新報 2005.10.25]