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〈朝鮮の食料問題解決とジャガイモ栽培N〉 強盛大国建設への決意

先駆者大会

白石共同農場の関係者とともに(信川)

 2004年1月27〜28日、平壌の人民文化宮殿で朝鮮では初めての「ジャガイモ農業革命先駆者大会」が開かれた。

 大会は朴奉珠総理をはじめ内閣、省、中央機関、勤労団体の責任者や農業指導機関の科学者、技術者及び全国から選ばれた農場員たち3000余人が参加して行われ、ここに総連の農業技術代表団も招かれて参加した。

 全国の人民や農業勤労者たちの大きな関心と期待を背負って開かれたこの大会では、朝鮮労働党のジャガイモ農業革命方針貫徹であげた成果と経験を総括し、党の農業革命方針をもっと徹底して貫徹し、社会主義強盛大国建設に貢献する課題とその方途などが討議された。

 代表者たちの確信に満ちた熱気あふれる報告と討論は、朝鮮での食糧問題を解決するために打ち出した党のジャガイモ革命方針の正しさとその生活力を余すところなく誇示したし、農業革命方針を最後まで貫徹し、強盛大国建設をやり遂げるという固い決意の表れでもあった。

 食糧問題解決の突破口を切り開き、明るい展望を示したという点で大きな意義ある大会であった。

 われわれ代表団も、先駆者大会に参加した他の参加者たちと同じようにジャガイモ農業の展望について確信を持つことができた。

 どうしてそのように言えるのか。大会を通してつぶさに見聞きしたジャガイモ農業の現状をもとに、確信を持つことができたその根拠をいくつか述べてみたい。

 まず第1に、それは種子の育成で大きな成果をあげていることであった。

 ジャガイモの収量をあげるには種子イモの育成に力を入れ、育種期間を3年とみて短期間に多収穫品種を育成し、一般化することが望まれている。

 討論の中でも多くの農場で「ラーヤ」という輸入品種をその地域の特性に合わせて改良し、生育期間の短い多収穫品種の育成に力を注ぎ、以前よりも2倍、3倍に、たとえばこれまで1ヘクタール当たり20トンのところが今日では40トン、60トンの収量をあげたという経験が報告された。

 また、無病、無ビールス(ビールスフリー)の種子イモを生産するための採種体系を確立し、収量をあげている経験も報告された。

 以前は自家栽培したジャガイモの一部を貯蔵しておいて、明くる年にそれを種子イモとして植える場合が多かった。このようなジャガイモは大抵、細菌とかビールスに汚染されているか生理的障害を受けている場合が多い。

 罹病したイモを植えると収量が落ちるだけでなく、病菌やビールスを拡大再生産することになる。

 大会では多くの農場で採種体系を確立し、地域のジャガイモ研究所や農業科学院の協力を得て無病ビールスフリーの種子イモを植えて収量をあげた経験が多く報告された。

 次に言えることは、朝鮮ではこの数年間、土地整理事業が大々的に行われジャガイモ栽培面積が拡大しているということである。

 報告によると全国的にみて2毛作の田畑を合わせてジャガイモ栽培面積が従来の2倍に拡大され、約10万ヘクタールに達したと言われている。

 栽培面積の拡大が何を意味するのか考えてみよう。

 ジャガイモ収穫高を平均1ヘクタールあたり50トンとすれば、10万ヘクタールの作付面積では500万トンのイモを生産することになり、これをコメに換算すると1ヘクタールあたり約130万トンを生産したことになる。

 ジャガイモだけでこれだけ生産すれば食糧問題は大きく解決するのである。したがって栽培面積の拡大は、多収穫品種育成と合わせてジャガイモ生産の重要なカギとなるのである。

 大会を通して確信を持てた3つ目の根拠は、ジャガイモ加工で工業化の方法が開発され、食生活改善で大きな発展がみられたということである。

 大紅湍のジャガイモ加工工場ではジャガイモで麺、酒、飴を生産供給し人々の食生活改善に大きく寄与している。

 大会ではジャガイモ加工法の工業化に関する研究で大きな成果をあげたことが紹介され、大きな評価を受けた。

 今やジャガイモは、副食ばかりでなく主食としても供される段階にまでその加工法が研究され実用化されているのである。(洪彰澤、元朝鮮大学校教授)

[朝鮮新報 2005.10.29]