top_rogo.gif (16396 bytes)

京都 第28回医協学術報告会開く 学校保健分科新設と高齢者医療への取組み

 第28回在日本朝鮮人医学協会学術報告会が11月13日(日)、京都府にあるハートピア京都で開催された。報告会には東日本と西日本から集まった医協会員ら約200人が参加した。

 報告会では李大国・医協中央会長のあいさつ後、臨床、歯科、東医・柔整、介護、学校保健分科で35編の演題で発表が行われ、各分野での研究成果に基づき活発な討論が行なわれた。

第28回医協学術報告会のもよう(11月13日、京都)

 今回の報告会から新しく学校保健分科が設置された。学校保健についての報告は以前の全体会から行われていたが、学校保健分科としての分科会は始めて。そのため、今回は全国から朝鮮学校の教員も数多く詰めかけた。

 あさひ病院の金秀樹院長(東京)は、まず初級部の保健教育の重要性および目的を確認し、新しい保健教科書の構成内容、学校伝染病や感染症などについて取り上げた。引きつづき市川南歯科医院の吉英介院長(大阪)は、ウリ学校での歯科検診を通じての現状および虫歯の予防、永久歯が生えにくい、歯並びが悪い児童が増えているその原因と対策について報告した。最後に保健講師の立場から、広島朝鮮初中高級学校の徐千夏保健講師が保健室での生徒の様子、対応などについて発表。医協会員のみならず、多くの学校教員も熱心に聞き入っていた。

 報告会ではランチョンセミナーとして「C型慢性肝炎の最新治療」「抗痴呆薬の将来展望」「ツムラ牛車腎気丸の最近の話題〜痛みと痺れ、頻尿に対する改善作用とその機序〜」が行われた。つづいて開かれた全体会の学校保健分科では「2005年 ウリ学校定期健診保健統計」を共和病院の辺秀俊院長(大阪)が、兵庫県朝鮮学校保健活動として「生まれてくれてありがとう! 生んでくれてありがとう! 〜性教育は命の教育 感動広がる初級部低学年向けの授業紹介〜」を兵庫県朝鮮学校保健校医会看護部会の金志純さんがそれぞれ行った。

熱心に聞き入る関係者

 また、学校保健分野とともに今回の報告会の焦点である高齢者医療問題について、種智院大学、小澤勲教授を招き「認知症を生きる」をテーマに記念講演が行われた。

 高齢化社会が進む中、近年「痴呆」から「認知症」へ病名が変更されたが、認知症はその症状もさまざまでなかなか理解されない場合も多く、ケアも難しいとされている。小澤教授は認知症を抱えることの不自由さ、認知症を抱える人の心の世界、そして認知症のケアで大切なことなどについて強調した。

 引きつづき行われたシンポジウムで、はなぶさ診療所の金英一所長の問題定義、「『老い』に迫る」から始まり「老人は何にこだわるのか? 幸福感調査から」(大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 文鐘聲さん)、「アセスメントで何を見るか」(京都エルファ 朴三紀さん)、「高齢者の薬剤と調剤薬局の実例」(ゆきのり薬局 金坤一さん)、「高齢者の筋力に対するとらえ方とそのアプローチについて」(共和病院リハビリテーション科 白信弘さん)、「老化−歯科の見地から〜アンチエージングのための口腔管理〜」(藤橋歯科医院 朱弘さん)などについてそれぞれの専門分野から意見を述べた。

 同胞社会でも高齢化問題は焦眉の問題となっている中、積極的なディスカッションが行われた。また、今回の報告会には今後の同胞医療を担う若手、医療学生も多数参加した。(康麗順、西新井病院勤務)

[朝鮮新報 2005.11.25]