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北海道・猿払村 民間団体が遺骨発見

来年夏、共同で本格的な調査

 本願寺派住職、キリスト教牧師、総聯、民団、中国華僑、日本市民らが2003年2月に共同で結成した「強制連行、強制労働犠牲者を考える北海道フォーラム」(以下、北海道フォーラム)では犠牲者名簿や埋火葬認可証などに基づき遺骨調査を進め、遺族の意向に沿っての遺骨返還を目指して活動してきた。

 この間、道内各地の研究者や日帝強占下強制動員被害真相究明委員会と連携しながら、新たに多くの遺骨の所在を確認した(各地で計23体、札幌別院と合わせ124体)。このほかにも、所在の確認が取れない遺骨名簿241名分(歌志内の2つの寺院名)が発見されている。

 さらに、10月28、29日に行った猿払村(北海道、宗谷郡)での発掘調査では朝鮮人のものと思われる遺骨1体をみつけた。

ひどい扱い、証言から

遺骨発見、大腿骨が見えている

 全道における調査過程で、猿払村の旧日本陸軍浅茅野飛行場建設工事で犠牲となった朝鮮人労働者の遺骨のその多くが、いまだに旧共同墓地に埋葬されたままであるとの新たな証言に接した。

 十数年前から同飛行場建設工事で犠牲となった朝鮮人労働者の問題に関心を持ち、現地での聞き取り調査などを行ってきた赤平高等学校の石村弘教諭は同村の鈴木、菅野各氏らと共に「浅茅野の歴史を掘りおこす会」を結成し、遺骨調査と返還を目指してきた。

 石村氏の依頼を受けて北海道フォーラムは、浅茅野に関する文献を精査。また、これまで調査を行ってきた人々の証言や地元での目撃者証言などをもとに、10月28、29の両日に試掘を行った。

 村民の証言から、当時の労務者寄宿舎棟数から推定した連行者数、劣悪な労働条件、犠牲者の遺体処理模様などの情報が得られた。とくに猿払村在住の鈴木正夫氏の「南にある滑走路のはずれの谷地を埋めたところに人柱3体が埋まっている、と聞いている」との証言、旧共同墓地から新共同墓地への移転の際、朝鮮人労働者の遺骨のみが残されたとする複数の証言は、同地域での遺骨試掘にあたって重要な証言となった。

 北海道フォーラムは試掘で遺骨が出土したことにより、旧共同墓地における本格的な発掘の必要性を再確認。来年夏に在日と南の同胞、日本人の若者が共同で本格的な発掘調査を行う。また、地元行政や住民にも協力を求めている。同時に、日本政府に対して浅茅野飛行場への連行者数と犠牲者を公表すること、関連企業に当時(とくに48〜49年)、受け取ったとされる遺骨の保管状況の公表などを求めていく。【北海道フォーラム】

[朝鮮新報 2005.12.13]