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〈投稿〉 東京中高「特別授業」に参加して

 NHK総合テレビの「課外授業 ようこそ先輩」がなかなかの人気だ。在日本朝鮮社会科学者協会・東京支部は2000年から毎年、東京朝鮮中高級学校を訪れて「特別授業」を行っているが、こちらもなかなかの人気を博している。

研究者たちから特別授業をうける東京中高生たち

 さる12月3日、6人の東京支部会員が東京中高を訪れ、高級部1年生を対象にそれぞれ2時間ずつ授業を行った。そのうち5人は東京中高の卒業生だった。

 東京中高には中級部と高級部がある。正確に言えば1946年10月に東京朝鮮中級学校が最初に産声をあげ、高級部はそのあとにできた。

 私が東京中高に通っていたときはまだ運動場もでこぼこで、あちらこちらに山のような土手があった。運動場を平らにするため、学生たちは授業が終わると毎日ローラーで運動場をならした。今はきれいな緑の人工芝がじゅうたんのようにひかれていて昔の面影はないが、運動場を見るとつい、昔を思い出してしまう。

 校舎も8年前に2階建てのモダンな校舎に変わった。

 今回の講師であった金昶基(東大院D3)、゙宇昶(東大院D1)、李栄篤(都立大D2)さんの3人は47期生。李成奇さん(産総研)は39期生。南鮮姫さん(管理栄養士)は44期生。尹祐根さん(産総研)は民族教育を受けたことはないが、今回3回目の講師出演だった。

興味津々な表情で授業を受ける生徒たち

 特別授業も回を重ねるごとに、受け入れ先の学校サイドや生徒たちから温かく迎えられて期待値が上がっているようだ。前回、ロボットの実物を持っていった尹祐根くんの教室では、先輩に聞いていたのか今回も実物がみたかったと感想文に書いてあった。講師もパワーポイントを使ってスクリーンで説明をするのが当たり前になり、学校でもその設備がすべての教室で整えられている。

 今回の授業内容の主なテーマは次のようなもの。

 「ドラえもんはいつできる?」(尹祐根さん)では、世界最先端のロボット研究を紹介しながらいまできるドラえもんのつくり方を一緒に考えた。

 「六本木ヒルズのつくりかたと朝鮮半島南北の都市計画」(金昶基さん)では、六本木ヒルズの設計段階から建築デザイン、都市開発、防災、歴史などを見ながら朝鮮半島の都市開発と比べてみた。

 「なぜたべるのですか?栄養」(南鮮姫さん)では、栄養士、管理栄養士の仕事の紹介や「食」の文化、経済、安全性、健康、栄養について具体的な実例を挙げながらわかりやすく説明した。

 どこの教室に入っても生徒たちは興味津々で、たくさんの刺激を得たことだと思う。新しい話を聞いたこともそうだが、自分の先輩たちが第一線の研究者としてやっている姿に感銘を受けただろうか。

 感想文をみると講師の先輩たちに「研究がんばってください」というエールがたくさんあった。「もっとたくさん話が聞きたい」「また来年も来てください」「ありがとうございました」というものや、「もっとわかりやすく説明してほしい」「ウリマルをもうすこし上手に使ってください」という注文もあった。

 子どもたちの明るく元気な姿に接して講師たちも幸せを感じていた。

 これからも、子どもたちに科学と未来の夢を語り続けていきたい。(洪南基、東京科協会長)

[朝鮮新報 2005.12.21]