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総連県本部委員長の陳述書

憲法14条、民法の信義誠実の原則に違反

 当会(総連)の活動は綱領でも明らかなように、朝鮮民主主義人民共和国の自主的平和統一をめざし在日同胞の共和国公民権を守り、人権、生活権、企業権をはじめとする全ての民主主義的民族権利と国際法で公認された合法的権利を行使できるようにし、日本人民との親善と連帯を深め、朝・日両国の国交を正常化し真の善隣外交を発展させるためのものだ。

 (具体的な活動内容は)第1に共和国への在日朝鮮人と日本人の渡航手続きの窓口・相談等在日朝鮮人の諸般の法的実務、各種証明書の発給・「同胞生活綜合センター」など生活相談、福祉、奉仕活動、民族差別の是正、人権擁護・朝鮮人強制連行調査推進等々だ。

 相互扶助の精神にのっとり、毎年広範な同胞らの参加により募金運動を行っており、一人暮らしの高齢者や障害者、自然災害、特に新潟県中越地震などで被害を受けた同胞らに支援を行っている。

 第2に、県内在日朝鮮人の法的地位と処遇の改善問題をはじめ朝・日国交正常化のための活動、県内の政党、団体、言論、自治体、NGO、各界人士との親善、市民外交を進めている。

 第3に、新潟朝鮮初中級学校の運営支援、朝鮮語民族文化の普及、金剛山歌劇団公演企画・朝・日文化芸術事業の企画、推進、朝・日スポーツ交流の窓口などの活動を行っている。

 毎週定期的に日本の方々のための朝鮮語教室などが行われている。今年2月、新潟市当局者は当会館全館全室と関連施設を見学して、日本の皆さんがハングル講座で学んでいる姿を見て帰った。

 第4に、県内同胞商工人及び企業の権益擁護・在日朝鮮商工会・経済団体との連帯等の事業を進めている。

 新潟出張所の祖国往来記念館では、次のような業務を行っている。

 1、祖国を訪問する同胞、学生たちの再入国許可証の確認、出国カードの記入の確認、外国人登録確認等を行い、官庁、入管、税関に提出する旅客者名簿、いわゆるパッセンジャーリストを作成する場所として利用している。

 2、祖国を訪問する同胞の荷物の確認及び税関手続きのための準備を行う場所として利用されている。

 3、祖国を訪問する日本の方々のパスポートを確認し、旅客者名簿を作成する場所として利用されている。

 4、在日同胞学生・日本の方々に祖国訪問時に提起される注意事項を事前に説明する場所として利用されている。また、乗船前の待機場所として利用されている。

 5、船で祖国を訪問し、帰りは飛行機を利用する同胞たちに朝鮮総連中央本部が発行した旅券を伝達する場所として利用されている。

 当会に対する市側からの固定資産税減免問題が提起されたのが2003年9月。

 その間、篠田市長は議会答弁、記者会見のたびに本会に対し固定資産税はごく一部をのぞき全額課税すると述べてきた。その根拠は拉致問題で市民感情が悪いとのことだった。

 新潟市に聞きたいのは、税とは市民感情がよくなれば徴収せず、感情が悪ければ徴収するものなのか。当会館に対する減免措置が実施された時から、今日にいたるまで法律上何ら変更もなく、またわれわれの活動内容においても何ら変わりはない。

 拉致問題はたいへん残念なことだが、拉致問題やミサイル等の問題は、当会朝鮮総連とは何ら関係ない。

 このような状況のもとで取られた本件課税処分は、何ら合理的な理由のない差別として、憲法14条に違反するものであり、民法の信義誠実の原則にも違反する。

[朝鮮新報 2005.6.4]