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〈月間平壌レポート〉 共同社説貫徹へ一丸の市民ら

 1月の平壌は、最高気温でも零下という寒い日が続く。しかし、市民らは正月を家族、親せきと楽しく過ごしながら、毎年1月1日に発表される共同社説に接し、その貫徹のための新たな決意に燃えている。【平壌発=李松鶴記者】

農業部門で活気

生産量を増やしている平壌トラクター部品工場(24日)

 農業を経済建設の主要課題とした共同社説を受けて省、中央機関はもちろん、全国各地の工場や企業所は年初から多くの支援を行っている。各協同農場でこの時期に力を入れているのは地力を高めること。そのため、主な支援内容は肥料や堆肥の生産、提供となる。

 新聞、テレビでは連日、それぞれの機関が肥料を満載したトラックを連ねて各地の協同農場を支援していることが報道されている。

 協同農場でも農場員総出で、作業にいそしんでいる。万景台農場のキム・ヨンボク管理委員長(50)は、「農場員らは寒い中、早朝4時から田畑に出て、夜遅くまで作業している。共同社説を貫徹しようという熱意は相当なもの」と語った。

 日中の最高気温がマイナス5〜8℃というこの時期、田畑は凍てついており、作業は想像以上に骨が折れる。しかし農場員たちは一様に明るい表情で、「自分たちががんばった分だけ国力が増し、私たちの暮らしもよくなる」と口を揃えた。

 農業以外の分野でも、共同社説を受けてさまざまな成果をあげており、総じて共同社説貫徹という一つの目標に向かって国中に活気があふれている。

厳しい反日感情

設備の稼働率が上がっている平壌塩化ビニール靴工場(25日)

 一方、遺骨問題をめぐり、朝鮮のメディアが年末から引き続き対日非難を強める中、市民の反日感情も厳しい。

 「われわれの誠意を踏みにじったばかりか、反朝鮮策動に悪用するとは。歴史的にもそうだが、日本という国は痛い目に遭わないとわからないようだ」

 取材先で会った人や市民たちはこのように述べながら、日本の今後の出方を注視している。

 朝鮮外務省スポークスマンは、日本による100余年の犯罪史を計算し、あらゆる手段と方法で代価を払ってもらうと指摘した17日の声明で、「日本こそ朝鮮人民の百年の宿敵」だと強調した。これまで、「百年宿敵」という表現が主に米国に対して使われてきたことから鑑みても、その怒りの程度がうかがえる。

 新聞の論調も厳しいものが多く、「今日、わが軍隊と人民の忍耐力は日本極右勢力の反朝鮮騒動により、限界点に達している」(労働新聞25日付)など強く非難している。

 「『対話には対話で、強硬には超強硬で』という朝鮮の外交政策に例外はない。日本はそのことに気づくべきだ」とある市民は語っていた。

「零下の世界」

 日本に比べ、朝鮮では年末年始の休暇が少ない。平壌では大晦日まで仕事をした後、それぞれ忘年会を催し、1日早朝に万寿台の丘にある金日成主席の銅像に花を捧げる。その後2日まで、親せきの家を訪ねたり、友人同士で遊びに行くなどして正月をゆっくりと過ごす。

 「零下の世界」とも言うべき1月の平壌は、2〜3分屋外にいるだけでも手足がかじかみ、耳の感覚がなくなるほどだ。最も寒いのは小寒(5日)から大寒(20日)まで。それ以後は徐々に暖かくなり、最高気温も1℃くらいまで上がるようになる。しかし、子どもは風の子。市内の至る所で冬休み中の子どもたちが元気に遊んでいる姿を目にする。ソリやスケートなどこの時期ならではの遊びに熱中している。

 朝鮮労働党創建60周年と祖国光復60周年を迎える今年を、意義深い年にしようという人々の意気込みがそのまま生活に反映されていて、雰囲気はとても明るい。

[朝鮮新報 2005.1.31]