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〈月間平壌レポート〉 2日間で種まき終える

 【平壌発=李松鶴記者】厳しい冬の寒さも和らぎ、春の兆しが徐々に感じられ始めた3月。二毛作を積極的に奨励している朝鮮ではこの時期、各地でいっせいに大麦やジャガイモなどの種蒔き、植え付けが行われる。一方、6.15共同宣言実践のための北、南、海外共同行事準備委員会(準備委員会)が結成され、統一運動でも雪解けが始まった。

「さらなる収穫を」

 2月中旬から下旬にかけて降った雪のため、今年の種蒔きは大きな影響を受けた。

 平壌市楽浪区域協同農場経営委員会のキム・インチョル技師長(43)によると、種蒔きを早く終えないとその分収穫高が減るだけに、例年なら2月末から3月初旬にかけて行う種蒔きを、時間をかけずにわずか2日間で終えたという。

 同区域のナムサ共同農場では、春にビール製造用の大麦を植えている。「昨年は悪条件が重なったにもかかわらず、計画を超過達成した。種蒔きの期間は短かったが、今年は条件的には恵まれたので、さらなる収穫が見込める」と自信をのぞかせた。

 農業を今年の経済建設の最重要課題と定めた新年共同社説を受けて、農民らは自分たちが主人公になったと意欲に燃え、期待に応えるためにも今年の農業で一大転機を計ろうと意気込んでいる。

 黄海南道などの穀倉地帯では、田植えに備えて稲の苗床への種蒔きが始まった。

 各地で植樹が活発に行われるのも3月だ。

 朝鮮では3月2日が植樹節で、この日を前後して老若男女がこぞって植樹に参加する。

 国土環境保護省は2001〜10年度の長期にわたる山林造成展望計画を作成、2005年現在、計画通り順調に進んでいるという。

 いまだ十分とは言えないものの、各分野で着実な前進を遂げていることがうかがえる。

対日関係でも共同歩調

 4、5の両日、金剛山で準備委員会が結成された。

 これにより「北、南、海外のすべての同胞が6.15共同宣言の旗印を高く掲げ、わが民族同士で団結し自主統一の道をさらに力強く切り拓けるようになった」(朝鮮中央通信3月5日)。

 準備委員会の結成宣言文が、「共同宣言に基づき国の自主的平和統一を成し遂げるため、分断後初めて北と南、海外の各階層の政党、団体、人士をもっとも幅広く網羅して結成された常設的な全民族的統一運動連帯機構」と強調したように、北南、海外がそれぞれ主人公となって統一運動を推し進めることができる枠組みができあがったといえる。

 準備委員会は3者が団結して統一運動を推進するとともに、日本による歴史わい曲と独島領有権の主張などにも共同で対処することを決めた。

 日本の動きに対しては朝鮮国内でも反発が強く、朝鮮教育文化職業同盟中央委員会スポークスマンは22日の談話で、日本の歴史教科書わい曲について、民族の尊厳と自主権に対する冒とくと指摘。軍国主義への野望と再侵略策動の発現だと非難した。

 独島領有権主張に対しても、朝鮮日本軍「慰安婦」および強制連行被害者補償対策委員会(20日)や日帝の朝鮮占領被害調査委員会(18日)などの団体が連日、声明や談話を発表し、厳しく非難している。

 こうしたなか、平壌で行われる25日の対バーレーン戦、30日の対イラン戦など、ワールドカップアジア最終予選に対する市民らの関心が高まっている。

 市民らは、「2戦とも快勝して6月の対日本戦でも朝鮮の実力を思う存分発揮してほしい。政治とスポーツはもちろん別だが、サッカーに対する情熱は私たちの方が熱い。選手たちは私たちの思いにきっと応えてくれるだろう」と語っていた。

[朝鮮新報 2005.3.26]