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〈月間平壌レポート〉 8.15民族大祝典 海外代表の位置確認

 【平壌発=姜イルク記者】ソウルで行われた自主、平和、統一のための8.15民族大祝典(14〜17日)の取材のために、平壌から北側代表団とともに西海直行航空便で現地に入った。

 今まで南側地域で行われる統一行事の取材には、北側記者団のメンバーとして参加してきたが、今回は、平壌から行ったにもかかわらず、6.15共同宣言実践のための北、南、海外共同行事準備委員会(6.15共同委員会)海外側代表団の一員として参加した。初のケースだった。

 しかも、海外側の日本地域代表60人のうち59人は日本からソウル入りし、平壌から現地に入ったのは筆者1人。貴重な体験だった。

想像もつかない現実

西大門刑務所を訪問した海外側代表団を歓迎する南の市民

 平壌からソウル入りした海外側代表は、筆者の他に中国、ロシアから参加した14人。

 前日にあった説明会で、日程の確認の後、注意事項が伝えられた。行事期間に反統一勢力の妨害デモなどがあった場合、北側代表団は刻刻帰るということだった。それは行事の中断を意味するもので、一緒に平壌に戻らなければならないことを暗示していた。

 若干の緊張感をもってソウルに向かった。が、そこには過去には想像もつかない現実が広がっていた。

ホテルに到着した北、海外側代表団を歓迎する南の市民

 14日の自主、平和、統一のための民族大行進の際、騒動を起こそうとした反統一勢力が警察に連行されていく姿があった。この日、他の場所でも反統一勢力が警察に拘束されたという。彼らは親北雰囲気の広がりを防ぐ目的で記者会見を開こうとしたが、警察に阻止され実現しなかった。

 過去には、民主、統一を叫ぶ学生などが拘束の対象だったが、現在は反統一勢力がその対象となっていた。

 また、祖国統一汎民族連合(汎民連)など「非合法」とされた組織のメンバーがその肩書きで行事に参加していたのも大きな変化だ。

 市内は北側、海外側代表団を歓迎する雰囲気に包まれ、至るところに歓迎の看板が設置され、市民が温かく迎えてくれた。

記者としても実感

 プレスセンターには、外信を含め220人が陣取り、その注目度の高さがうかがえた。

 一方、北側からは約20人、海外側からは3人の記者が取材活動を行った。

 海外側と言っても、記者は日本地域、しかも総聯関係者だけだ。朝鮮新報社から2人、総聯映画制作所から1人。

 海外記者団は過去、南側地域で行われた行事の取材の際、北側記者団に入らないと取材活動は制限されてきたが、今回は、6.15共同委員会海外側準備委員会に取材申請を事前に行い、国務総理主催の宴会や南朝鮮の国会で行われた行事など、一部の代表らによる行事の取材も実現した。海外側準備委員会の位置と役割を確認する機会となった。

 6.15共同委員会は、北、南、海外の3つの地域で構成されている。

 今年3月に統一運動の常設機構として結成されて以来、統一運動は新たな局面を迎えた。海外も堂々たる統一の主人公であることが目に見える形で示されている。

 海外側代表らは開、閉幕式や本大会などで、北南当局、民間代表らと肩を並べて主席壇に上がり、海外側準備委員会共同委員長の郭東儀、文東煥の両氏、祖国平和統一協会の金守埴会長らが演説。「わが民族同士」の理念のもとに団結し、一日も早く統一を成し遂げようとアピールした。

 日本地域代表団のガイド役を務めた南側準備委員会のスタッフは、「われわれは生活のレベルで、祖国統一の必要性を感じ運動を繰り広げてきた。しかし海外同胞はさまざまな道を選べると思う。厳しい日本の環境下で祖国統一のために数十年間も活動してきた方々こそが真の愛国者。頭が下がる思いだ」と話していた。

[朝鮮新報 2005.8.27]