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白馬−鉄山水路、大安親善ガラス工場 「強盛大国建設の貴重な元手」

 既報のように、朝鮮労働党創建60周年を迎え、大安親善ガラス工場、白馬−鉄山水路、寧遠発電所ダムなど「強盛大国建設の貴重な元手となる」130の建造物が建設された(朝鮮中央通信)。とくに大安親善ガラス工場(平安南道)、白馬−鉄山水路(平安北道)はその経済効果が大きく期待されている。

水路沿いに6つの市、都 農業、10万トン増産見込む

人工貯水池、白馬湖

 白馬−鉄山水路は平安北道一帯、4万6000ヘクタールの耕地に自然に流れ込むようになっている大灌漑施設だ。総延長距離270余キロの水路沿いには平安北道の龍川郡、塩州郡、鉄山郡、新義州市をはじめ6つの市、郡が点在する。03年3月に着工し、2年半の期間に完成した。

 白馬−鉄山水路は、平安南道一帯を流れる价川−台城湖水路(03年9月完工、約330キロ)に次ぎ、朝鮮では2番目の大規模「自然流れ式」水路だ。

 白馬貯水池から龍川、鉄山まで動力なしで、ほぼ歩く速度でゆったりと自然に流れる。

 かつては、電気を使って水をくみ上げ、田畑に水を供給していた。しかし、経済的困難をきわめた90年代後半の「苦難の行軍」時期には、電力難で田畑への水供給もままならなかった。

 白馬−鉄山水路の完成により、不要になった揚水器、電動機、変圧器など400余の設備が撤去され、3万キロワットの電力節約が可能になった。

 「自然流れ式」だけに、これまで水がスムーズに行き渡らなかった所へも供給されるようになり、さらに洪水、干ばつなど自然災害を防止、安定的に農業を営むことができるようになったという。

 朝鮮農業省関係者によると、白馬−鉄山水路の完成によって10万トンの農産物増産が見込まれている。ちなみに价川−台城湖水路では30万トン増産を見込んでいる。

 大規模「自然流れ式」水路は今後、穀倉地帯の黄海北道、黄海南道に継いで平壌市南部などでの建設が予定されている。

 今回の白馬−鉄山水路建設者らが、黄海北道のミル平野水路(60キロ規模)工事にあたるという。

 朝鮮農業省のナム・スンヒ責任部員は、「すでに价川−台城湖水路の完成で大きな成果が得られている」と指摘しながら、「今後建設される水路は食糧問題解決の確固たる土台になる」と話した。

2次加工品工場建設も視野 輸出も念頭に、国内原料使い

大安親善ガラス工場

 大安親善ガラス工場は中国政府が無償提供したもので、「朝中親善の最高象徴」だと強調されている。昨年7月に着工し、1年3カ月で完成にこぎつけた。

 一日に、厚さ5ミリの板ガラス1万7500m2、厚さ3ミリなら2万9000m2を生産できる。幅は3メートルで、住宅用および産業建造物、軽工業品生産に使われる。

 朝鮮建設建材工業省によると、ここでの製品は輸出も念頭においているという。それだけ製品の品質には自信があるということだろう。

 工場は、中国有数の中国耀華ガラス集団公司によって建てられ、設備は中国製だけでなく、フランス、ドイツ製も導入されている。

 朝鮮では以前、大きなガラスは輸入に頼っていた。また、国内産のガラスは気泡があり、歪んでいるなど、決して良質とは言えなかった。

 工場の完成によって、国内需要のすべてを満たすことができるようになり、さらに外貨獲得もできるようになった。

 ちなみに、砂などのガラスの原料は国内に豊富にあるという。

 唯一、輸入しなければならない炭酸ソーダは当面は輸入するが、今後、南興青年化学連合企業所の炭酸ソーダ生産工程が完成すれば、それを使うという。

 大安親善ガラス工場は地理的に原料、製品の運搬にとても便利になっている。大同江のほとり、平壌−南浦間川岸道路沿いに位置する工場には鉄道が敷かれ、埠頭も建設された。停電に対応できるシステムも構築したという。

 朝鮮建設建材工業省のチョン・ギョンイル副局長は今後、同工場で生産されたガラスを使ってガラス鍋、鏡、強化ガラスなどの加工品を生産する2次加工品工場の建設を視野に入れていると話した。

 さらに、今後も中国側との協調で技術向上を目指すと語った。(姜イルク記者)

[朝鮮新報 2005.10.18]