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そこが知りたいQ&A−鳥インフルエンザ、朝鮮の対策は?

防疫活動規定設け予防 渡り鳥監視所も設置

 世界的に鳥インフルエンザの拡散が大きな問題になっているなか、朝鮮ではどのような対策を講じているのか。Q&Aで見た。

 Q 現在、世界中の鳥インフルエンザ感染者数は128人で、うち死者は67人に上っていると新聞報道で読んだ。今後、猛威をふるうといわれている鳥インフルエンザ。朝鮮ではどういう対策を講じているのか。

 A 現在、内閣事務局、省、中央機関と獣医防疫、保健医療部門をはじめ各分野で予防活動が行われている。

 11月6日発朝鮮中央通信によると、金正日総書記は最近、鳥インフルエンザ予防について再三言及し、具体的な対策も指示したという。総書記の直接的関心のもと、国家を挙げてこの問題に取り組んでいる。

 今のところ鳥インフルエンザ防止に向けた対策をさまざまな手段で解説、宣伝して大衆の間で問題意識を深める点に力を入れている。

 Q 具体的にはどんなことをしているのか。

 A 国家獣医非常防疫委員会が全国的規模で予防活動を指揮している。同委員会は2〜3月に朝鮮で鳥インフルエンザが発生した際にも、その完全終息に貢献した。

 同委員会では、防疫活動の規定と鳥インフルエンザ発生時の非常活動準則、防止に向けた戦略を新たに作成し、これに準じて予防活動を行っている。

 防疫活動規定には、中央と地域間の活動体系が厳格に示されているとされる。同活動において統一性を確保し、万が一、鳥インフルエンザが発生した場合でも整然とした体系と秩序に基づいて対策が講じられるようになっている。

 朝鮮中央通信などの報道によると、非常活動準則には家禽を飼育するすべての工場、企業所、協同農場、住宅でその危険性を熟知するよう明記されている。早期摘発、早期報告、早期処理、早期統制という4つの「早期」に関して具体的な条項が盛られているという。

 Q そのほかには?

 A 農業省では、外国での発生と被害状況、予防に関する資料を道、市、郡に送っている。労働新聞など国内メディアも連日、中国やベトナムなどでの対策などについて詳細に報道している。

 すべての養鶏工場ではいっせいに非常防疫活動に入っており、外来者の出入はいっさい禁止。鶏舎と餌運搬用車などの消毒、家禽類と卵などの獣医検査も怠りない。衛生防疫機関の活動家による家禽飼育工、家畜を飼う住民などへの検診も定期的に行っている。

 Q とはいえ、アジアをはじめ世界各地でこれだけ広がっているのだから、それを防ぐのもたいへんではないのか。

 A そのとおりだ。そのため朝鮮では港湾、空港、国境での衛生、獣医検疫を強化しており、鳥インフルエンザウィルスが浸透できないよう徹底的に防止するうえで鍵となる品質監督活動に力を入れている。

 朝鮮中央通信社記者のインタビューに応じた朝鮮輸出入商品検査、検疫委員会の金亨哲委員長は「発病地域、国から入国したり、その地を経由した人々と物資については特別に検疫を強化している。鳥インフルエンザは潜伏期間があるため検閲時点では現れないので、港、空港、国境を通過した後も当該部門に疫学通報を行う」と述べている。また、「少しでも感染が疑われる人は隔離措置を取っている。発病地域、国からの家禽製品の輸入はいっさい中止している」とも。外から入らないよう徹底して対策を講じていることがわかる。

 Q 「主犯」とされる渡り鳥対策はどうなっているのか。

 A 国家獣医非常防疫委員会では渡り鳥の監視所を全国数百カ所に設けた。動物学者らと協力して移動経路と移動時期、主要滞在地、越冬の場所などを把握するようにしているほか、鶏、アヒル、ガチョウなどを飼育するすべての機関で野生鳥類と渡り鳥に対する監視を強化するようにしている。もちろん一般の住宅も例外ではない。

 一方で新型インフルエンザ・ウィルスに対する予防薬、治療薬、診断試薬、消毒薬の研究も進めている。

 年初に国内で一度発生しただけに、二度とこうしたことが起きないよう徹底した予防対策が取られている。(文聖姫記者)

[朝鮮新報 2005.12.3]