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山口でシンポジウム開催 「日朝国交正常化早期実現を市民の手で」

 朝・日国交正常化を市民の手で実現させるための活動と交流を行っている山口県の市民団体などが主催するシンポジウム「東アジアに生きるわたしたちのこれから−日朝国交正常化早期実現を市民の手で−」が1日、山口市のニューメディアプラザ山口で行われた。シンポジウムには同胞、日本人ら約100人が参加。朝・日関係の現状と国交正常化、東アジアの平和に向けた話し合いが行われた。

宣言の誠実な履行を

 シンポジウムでは、主催者を代表し山口県平和運動フォーラムの中嶋光雄代表があいさつし、社会民主党の佐々木あけみ・山口県議が基調提起を行った。

 基調提起は、「一部国会議員から共和国への経済制裁が叫ばれ、また在日朝鮮人に対する暴力、嫌がらせも頻発化している」と指摘。「東アジアの平和とアジア民衆の友好の実現にむけ、平壌宣言と共同宣言の誠実な履行を求める声を大きくしていこう」と訴えた。

 続いてパネルディスカッションが行われた。朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会の清水澄子代表、総聯中央の金明守参事、山口大学の纐纈厚教授がそれぞれ発言した。

両国の「かけ橋」に

パネルディスカッションでは活発な意見交換が行われた

 清水代表は「平和と友好の基礎は人と人とのつながり」と述べ、市民レベルでの交流の重要性を強調した。また、日本政府が取り組んでいる強制連行犠牲者の遺骨調査のずさんさを指摘し、「今回解決できなければ永久にできない。加害責任を認めしっかり調査するよう声を挙げていこう」と訴えた。

 金参事は、9月中旬の訪朝時に目撃した朝鮮の現況や要人との面談内容について触れ、朝鮮を取り巻く情勢について解説。平壌宣言は朝・日間の関係正常化のための基礎的文献、国際法的枠組みだと強調し、友好関係を築くうえで在日朝鮮人が両国の「かけ橋」になりたいと述べた。

 コーディネーターをつとめた纐纈教授は、日本政府と日本人が克服すべき問題点を挙げ、朝鮮の政治、経済状況についての分析を報告。日本は平和国家として地域協力型の平和戦略を推進し、21世紀の社会を市民の手に獲得する論理が必要だと述べた。

朝・日青年ら合同演奏

朝・日青年らによるサムルノリ

 シンポジウムでは、朝青山口と山口県立大学サムルノリサークルによるサムルノリ合同演奏が行われた。

 両者は朝鮮学校と日本学校の相互訪問や民族教育権のよう護、拡大のための署名運動などを行ってきた。

 演奏を終えたあと、朝青山口の金勇柱委員長は「互いに協力し合って、自分たちの力で明るい未来を勝ち取ろうという思いをこめて演奏した」と述べた。

 シンポジウムでは会場からの発言もあった。下関朝鮮初中級学校オモニ会の朴香淑会長は、同校生徒の通学路にスクールゾーンがないことなどを訴え「市民の協力がほしい。互いに協力し合って朝・日友好につなげよう」と呼びかけた。

 山口市内在住の日本人男性は「拉致問題や朝鮮の核問題だけが取り上げられるのはおかしい。それらが在日の人に悪い影響を与えている」と感想を述べた。

 清水代表は「日本の食卓にキムチが並び、朝鮮の料理や文化がすでに浸透している。市民はどんなときも交流を続けられる。お互いを理解し合うことが大事」と述べた。(李泰鎬記者)

[朝鮮新報 2005.10.11]