top_rogo.gif (16396 bytes)

在日朝鮮人史100周年記念シンポジウムで公文書公表 「乙巳5条約」は違法で無効

 2002年9月17日の朝・日平壌宣言にもかかわらず、日本は核問題や拉致問題を口実に朝鮮バッシングを強め、正常化への流れを逆行させた。そればかりか、歴史教科書の改悪や事実わい曲、独島領有権主張、政府高官の妄言や首相の「靖国神社」参拝などで、過去の無謀な侵略戦争で多大な被害を与えた朝鮮を含むアジアの国の人々に、再び苦痛を与えている。

 朝・日間の関係悪化は在日朝鮮人にも影響を及ぼしてきた。今もなお在日朝鮮人や民族教育への差別政策は改善されておらず、総聯や朝鮮学校に対する誹謗中傷も繰り返されている。強制連行犠牲者の遺骨問題など、放置されてきた問題も多い。

 近年では、政府高官や著名人からも「強制連行などなかった」「創氏改名は朝鮮人が望んだもの」「在日は密入国者の子孫だ」などといった無知と偏見、事実わい曲に満ちた妄言が飛び出す始末だ。

国連総会に報告書、63年に

 祖国解放60周年を迎えた今年は、在日朝鮮人史100周年にあたる。「乙巳5条約」のねつ造(1905年11月17日)とそれによる日本への強制連行が在日朝鮮人の歴史の始まりだということだ。1905年着工(09年開通)の鹿児島線建設工事に150人の同胞が従事させられた事実をはじめ、1907年以降の新聞報道などがそれを裏付けている。

 植民地支配の開始は長い間、1910年の「韓国併合条約」からとされていたが、90年代の研究で実質的な支配は1905年から始まったとする見解が強まった。

 日本は暴力的な脅迫によって「乙巳5条約」の締結を強制し、朝鮮に「統監府」を設置。朝鮮の外交権を剥奪した。1910年の条約は、日本の手先である李完用が勝手に「締結」したもので、外交権を持たず国家を代表しないゆえに「当初から無効」である。

 同胞や日本人の研究家によって、「乙巳5条約」の違法、無効性を証明する事実や法的根拠が明らかにされている。とくに注目されるのは、国連国際法委員会が63年に国連総会に提出した報告書。「乙巳5条約」を国家の代表に対して強制的に締結させた条約の典型として挙げ、無効との見解を示している。

 さらに、条約締結が強制的に行われたことを示す公文書の存在が明らかになったとみられている。12日に東京で行われる「在日朝鮮人史100年記念シンポジウム」で公表される予定。

 「乙巳5条約」の違法、無効性が確認されれば、「韓国併合条約」を含む以降のすべての条約も無効であり、当時の日本の法律に基づいて行われた強制連行もすべて違法であることがあらためて確認される。

[朝鮮新報 2005.11.5]