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1年ぶり、北京で朝・日政府間接触 互いの主張、立場表明 過去清算など懸案問題

 【北京発=金志永記者】朝・日政府間接触が3、4日にかけて北京市内のホテルで約1年ぶりに開かれた。宋日昊外務省アジア局副局長を団長とする朝鮮側代表団、斎木昭隆外務省アジア大洋州審議官を団長とする日本側代表団が参加した。朝鮮側の宋副局長が明らかにしたところによると、接触では「過去の清算問題、拉致問題、核、ミサイル問題をはじめとする懸案問題に関する互いの主張と立場を明らかにし討議した」。日本側は今後この3つの問題を「互いに並行して協議」することを提案したが、合意にまでは至らなかった。

 朝・日政府間の公式対話は昨年11月に平壌で行われた実務協議以来。同協議の際に受け取った横田めぐみさんの遺骨を日本側が「偽物」と断定し、朝鮮側は日本側の発表をねつ造だと確定した。双方の主張と立場に依然として隔たりがある中での接触となった。

 対話の必要性を訴えたのは日本側だった。この間、朝鮮半島情勢は大きく動いた。朝鮮半島の核問題を解決するための6者会談が約1年ぶりに再開され、初めて共同声明が発表された。第4回6者会談第2ラウンドで日本側は、拉致問題について正面から論議しなかった。その代わり、朝・日団長同士の接触で日本側団長は平壌宣言の履行について言及した。

 1年ぶりに接触が実現したのは、日本側のこうした姿勢の転換に朝鮮側が応じたからだ。

 今回の接触に参加した朝・日両国の代表は、2日間にわたって突っ込んだ意見交換を行ったようだが、マスコミには断片的な内容が伝わっただけだ。朝鮮側の宋副局長は「日朝関係を前進させようとの日本側の意図を感じたか」「国交正常化会談を再開できるとの印象を受けたか」などのマスコミの質問に対し、「受けた」とひと言答えるに留まった。

 今回日本側が拉致、核、ミサイル、過去の清算問題の「包括的な解決」を提案したのは、前者の3つの問題が1つでも解決しなければ国交正常化を行わないということだろう。しかし、「包括的な解決」というが、日本の過去清算は拉致、核、ミサイル問題の存在有無に関わらず、必ず解決されなければならない問題だ。

 今回の政府間接触で朝鮮側は、日本側の政策的意志が過去の清算を通じて関係を改善しようというものであるなら肯定的に評価したいとの意向を伝えたとされる。日本の姿勢転換が偽りでなければ、朝・日関係においても転換の契機は十分に整えられる。

 朝・日政府間対話を続けるためには、関係改善の核心的議題である日本の過去清算問題が一貫して論議されるべきだ。

[朝鮮新報 2005.11.10]