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国連人権委報告官 国連総会で報告 「外国人排斥は日本社会における現実」

特化した法制定を

 今年7月、京都朝鮮中高級学校やウトロ地域を視察した国連人権委員会の人種差別問題に関する特別報告官ドゥドゥ・ディエン氏(セネガル)が7日に開かれた人権問題を扱う国連総会第3委員会において、人種差別や外国人排斥に関する調査報告を行い、日本で在日朝鮮人をはじめとする少数者集団に対する差別が実在していると指摘、人種主義や外国人差別に特化した国内法の制定などを求めた。

 ディエン報告官は、朝鮮学校関係者やウトロ住民、無年金状態におかれた在日高齢者らの情報提供に基づき作成中の具体的な対日勧告を盛り込んだ報告書を、来春の第62会期国連人権委員会に提出する予定だ。

北南朝鮮など支持

 7日の報告は、ディエン特別報告官が国連総会に提出した中間報告書(A/60/283・2005年8月19日付)に基づいて行われた。本報告書では、人種主義、外国人差別との全般的な闘い、2001年に南アフリカ・ダーバンで開催された反人種主義世界会議において採択されたダーバン宣言と行動計画の実施及びフォローアップに関して網羅しながら、実地調査を行った日本の状況に関しても言及されている。

 報告書U・C項第30段落で報告官は、「人種主義、人種差別、外国人排斥は日本社会における現実」であるとしながら、@アイヌ民族、被差別部落出身者および沖縄の人びと、A在日朝鮮人と中国系コミュニティ、Bアジア、中東、アフリカおよびヨーロッパからの移民に対する差別が、それぞれ形態の違いはあれ、実質的に存在すると指摘。また、朝鮮半島や中国など近隣諸国との関係性をめぐって繰り返される歴史認識論争や、都知事など特定の政治家により繰り返される差別発言、ならびに人種差別や外国人排斥を禁止する包括的な国内法の不在は、差別が歴史や文化に深く根ざしていることに対する認識不足に要因があると指摘している。

 7日の国連総会では、北南朝鮮、中国代表がディエン氏の報告を支持しながら、日本社会に残る差別に懸念を表した。

日本反論も、「不十分」

 これに対し日本の代表は、差別が何らかの形で存在しない国はほぼないと考えると述べつつ、教育分野において差別解消のための取り組みを行っていると強調した。

 ここで日本代表が言うところの「取り組み」は、大学受験資格問題の一部是正を念頭においていると思われるが、その「取り組み」はすでに昨年1月の子どもの権利条約対日審議委員会において、朝鮮学校に通う子どもたちなどへの差別的取扱いが残された「不十分」なものだと批判されている。

 人種差別に関する特別報告官が来春開催される国連人権委員会に提出する本報告書では、朝鮮学校の処遇改善や朝鮮学校の子どもたちに対する暴言、暴行事件根絶のための、具体的で実効性に富んだ包括的な対日本政府勧告が含まれることが期待されている。今後とも直接的被害の当事者である私たちの声をより積極的に届けていきたい。(宋恵淑、在日本朝鮮人人権協会)

[朝鮮新報 2005.11.16]