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大阪市立大 推薦入試朝高はずし問題で緊急集会

大学側 07年度から認定も、今回は認めない

 大阪朝鮮高級学校3年の女子生徒が大阪市立大の推薦入試出願を拒否された問題で、緊急集会(主催=大阪市大朝鮮文化研究会)が16日、同大構内の学術情報総合センターで行われた。朝鮮文化研究会や同大学生たちの人権サークルであるHRDP(Human Rights and Diversity Project)のメンバーらと、留学同大阪の学生をはじめ同胞、日本人学生、教員ら約40人が参加した。集会では、問題の経過と朝鮮学校の歴史に関する報告が行われ、今後の対応などについて意見交換が行われた。また出願受理と来年度以降の受験資格認定を求めるアピール文が採択された。大学側は17日、来年度から朝鮮学校生らの出願を認める方針を決めたが、一方で今回の出願は受理しないとした。

不受理、理由告げず

大阪朝高生徒の出願書拒否問題についての緊急集会(16日)

 集会ではまず、生徒本人のメッセージが代読された。生徒は現在、ショックから立ち直り一般入試を受けるための準備に取りかかっている。今回の結論については「納得できない、くやしい」としながら、必ず(一般入試で)合格して日本の高校生と同等であることを示したい、後輩たちが推薦入試を受けられるようにしたいと決意を披露した。

 生徒は9月初旬、大阪市立大学医学部看護学科の2006年度推薦入試の件で出願資格の確認を行った。しかし、「朝鮮学校は高等学校に該当しない」と「門前払い」された。生徒の保護者が不受理の理由を問い合わせたところ、「高等学校とは、学校教育法に定められた学校を指し、朝鮮高級学校は高等学校には当てはまらない」との回答が送られてきた。大阪朝高教員らの受理申し入れに対しても「個別認定できない」と拒否された。

 出願締め切りが迫る中、生徒は出願書を郵送したが、11日に不受理の通知とともに返送されてきた。保護者は理由を聞くため再度面談を求めたが「同じ答えしかできない」と拒まれた。

 同大学の学生を中心に、中大阪朝鮮初中級学校オモニ会、市民団体などが受理を求める要請を行ったが、大学側は今も拒否の姿勢を崩していない。

在学生らもショック

 集会では、保護者が心境について語った。保護者は「大阪市立大学はいち早く朝鮮学校卒業生を受け入れていただけに残念。共生社会をめざす市内トップの大学で在日朝鮮人にも理解があると思っていたのに悲しい」と語った。

 同大学は、2001年に決定した「大阪市立大学人権宣言2001」の第3条1項で、教育、研究活動において民族、国籍、思想などを理由とする「差別、排除及び嫌がらせを行わない」としている。HRDPのメンバーの日本人学生は、今回の大学側の反応はこれに反していると指摘する。

 保護者は「理由も聞かされず朝鮮学校の生徒だけ認められず、話し合いたいと言っても会ってさえくれない」と憤りを露にした。

 集会では、朝高出身の同大在校生らが発言。「大阪市大OBの中には朝高出身者も多く、推薦入試が受けられないと聞いて衝撃を受けた」「在日朝鮮人学生はいらないと言われているようだ」と訴えた。

 また、今後の活動や問題点の明確化について意見交換が行われ、当該生徒の出願受理などを求めるアピール文が採択された。

根本的な解決必要

 同大学の金児曉嗣学長は17日、大学HP上で見解を表明。「朝鮮学校は各種学校に該当するので在籍者に出願資格はない」「個別の事例で例外を認めることはできない」と、これまでと同じ回答を繰り返した。出願資格を限定している理由については言及されていない。

 同大入試課は、推薦入試は学部によって推薦資格の枠が異なり限定されていると説明。大学の責任についてはあいまいにした。

 文部科学省は03年、省令を改正し、民族学校の生徒たちが各大学の個別審査を経て受験できるように指示した。大阪市大はそれ以前から朝鮮学校生徒らの受験を認めてきたが、一般入試に限定していたことが今回明らかになった。

 一般入試では個別審査を課し、推薦入試では学校単位で推薦枠を与える不可解な資格規定が混乱の一つの要因になった。指定校推薦でないにもかかわらず、朝鮮学校をはずしていることには何らかの理由があるはずだ。今回世論が高まったことで大学側は来年度以降の認定方針を決めたが、これまで朝鮮学校をはずしてきた理由を説明する義務がある。

 今回、生徒は「豊かな国際感覚をもち、国際的視野で看護に貢献できる学生を育てることを目指している大学」と認識していただけに、それが裏切られた形となって大きなショックを受けた。

 当該生徒にとっては今回の受験が肝心であるだけに、大学側には生徒が受けた苦痛を取り除く責任がある。保護者や朝高側が申し入れた時点で誠実に対応していれば生徒のショックも和らいでいたはずだ。

 集会に参加した学生たちは、03年改正が一般、推薦を問わないとしているだけに、朝鮮学校を除く規定を設けていない大学側に「落ち度があるのは明らかだ」と強調。「大学側は朝鮮学校を差別していることをまったく自覚していない」とも指摘する。

 今回の問題は、朝鮮学校だけを各大学の個別審査にゆだねるという03年省令改正で棚上げされた問題が表面化したもの。外国人学校の受験資格問題に詳しい専門家は「日本政府が朝鮮学校を認めていないことがそもそもの原因。根本的な解決をすべきだ」と指摘する。(李泰鎬記者)

[朝鮮新報 2005.11.19]