南北朝鮮の児童文学を翻訳 「北十字星文学」13号刊行 |
在日同胞の児童文学者韓丘庸さん(71、=京都府在住)が顧問を務める「北十字星文学の会」が翻訳文芸誌13号(=定価500円)を刊行した。「北十字星」とは「白鳥座」の別名で、天の川を結ぶこの星が織姫と彦星を結ぶように、日本と朝鮮半島との架け橋になればという願いが込められている。 会では97年の設立から毎月1回、朝鮮半島の児童文学を翻訳して勉強している。メンバーは、京都、滋賀、大阪、神戸、奈良などに住む教員、会社員、主婦など20代〜70代の在日同胞、日本人、留学生ら30人。 2000年に朝鮮半島の民話21編を収録した民話集「にわとりを鳳凰だといって売ったキムソンダル」を発行し、昨年7月には朝鮮の児童文学を集めた「花時計・ピョンヤン駅」を出版した。 13号には、解放前の文学作品ほか、南北朝鮮の小説、詩、エッセイなど22作品を収録。表紙は昨年朝鮮で初めて世界文化遺産に登録された江西大墓の「玄武図」の切り絵。前号は江西中墓の「朱雀図」だった。 本誌は、激変する朝鮮半島情勢や日本国内での諸情勢の中でも、文学作品を通じて朝鮮半島への理解を深めようとする訳者たちの真摯で誠実な取り組みの結実である。一般の人の目にはおそらくあまりふれないものばかりで、そういう意味では大変貴重な資料と言える。(潤) 問い合わせは「北十字星文学の会」TEL 0742・47・9663。 [朝鮮新報 2005.1.19] |