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「海女のリャンさん」 キネマ旬報文化映画ベストワンに

 大阪に暮らす元海女、梁義憲さん(88)を描いたドキュメンタリー映画「海女のリャンさん」(桜映画社製作、原村政樹監督)が2004年度キネマ旬報「文化映画ベストテン第1位」に選ばれた。

 現在発売中の「キネマ旬報」(2月下旬決算特別号)には「この映画には在日コリアンの人たちの長く深い歴史が浮き上がる」と指摘。同誌によれば、11人の選考委員たちから合わせて84点という最高点を獲得。2位(66点)以下を大きく引き離す高い評価を得た。

 選考委員で満点の10点を与えた映画評論家の野村正昭氏は「『海女のリャンさん』の巧みな構成力に敬意を表しつつ、謹んでベストワンに」と称えた。また、9点を与えた批評家の浦崎浩實一さんは「(映画で)里帰りした母親リャンさんを娘が自分の収容されていた孤児院跡に案内する場面がある。更地になった向うに荒涼たる海。その先にかすかな日本。当時の孤独を母親に理解してもらいたかったのだ。母娘の感情が噴き上がり、40年近い歳月ののちに救済される魂。涙なくしては見られなかった」と感動を表した。

[朝鮮新報 2005.2.10]