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南北コリアと福岡のともだち展 テーマは「いっしょに遊ぼう」 九州では初、630点の作品展示

「朝鮮と日本でスキューバダイビング」(筑豊初級5年、姜一求)

 「南北コリアと福岡のともだち展」(主催=同実行委員会)が3〜8日、福岡アジア美術館(福岡市博多区)で開かれた。同展は、北東アジアの平和を願う催しとして01年から始まった「南北コリアと日本のともだち展」の巡回展。これまで東京を中心に、平壌、ソウルでも開催されたほか、横浜、川崎、埼玉、大阪、京都、神戸、新潟、広島などを巡回。今回、九州では初めての開催となる。会場には北南朝鮮の子どもの絵100枚を含め、福岡県に暮らす日本と在日同胞の子どもの絵630点が展示された。

会場の様子

まだ見ぬ友だちにメッセージを送る

 作品の共通テーマは「いっしょに遊ぼう」。それぞれ好きな遊びやものを未来の友だちに向けて紹介した。

 壱岐南小2年・大町田唯さんの作品は「いなかのやさいばたけ」。おいしいトマトやきゅうりが実るところを描き、「おとなりのくにとなかよくなりたいです」とのメッセージを添えた。姪浜小3年・稲葉康平くんは「9回のうら大ぎゃく点」で野球のプレーを表現、「いつかどこかへ行ったらあそぼうよ」と書き添えた。

 作品にはほかにも、友だちとブランコをしたり、ドッジボールやサッカーをしたりして楽しそうに遊ぶ様子が、絵の具やクレヨン、版画で色鮮やかに描かれていた。

 5日には、特別ゲストとして筒井由紀子さん(KOREAこどもキャンペーン事務局長)、寺西澄子さん(南北コリアと日本のともだち展実行委員会)を招き、01年から続く「南北コリアと日本のともだち展」開催のエピソードなどが語られた。

「ダンスハッスル」(名島小2年、しもかわこうへい)
「うちゅうをきわめるぼく」(平壌ルンラ小2年、チェ・ジョンヒョク)

 絵画展を見た北九州市の学生、森高亜弓さんは「朝鮮の子どもといえば、飢えてやせ細った姿かきれいな衣装を着て歌っているといった極端なイメージしかなかった。作品を見て、どこの国の子どもも変わらないと思った。子どもたちの表情も穏やかで、心が柔軟な時期にこうした交流をするのは良いことだと思う」と話した。

 博多区の増田哲也さんは「とても良い試み。とくに朝鮮に対しては凝り固まった印象があるため、絵画展を通じての子ども同士の交流は相互理解の一助となるだろう」と語った。

 実行委員会代表の小林知子・福岡教育大助教授(国際関係学)は、「朝鮮学校の子どもたちの絵がたくさん集まってうれしい」と話した。「日本の学校の子どもたちの中には、朝鮮学校の存在を知らない子も多い。自分の絵を見に来た子どもたちが、少しでも隣にいる在日の子どもの存在を知り、彼・彼女らと知り合うきっかけになれば」と話した。

 絵画展には6日間で613人が訪れた。次回展示は、5月に山口県下関市で開かれる予定。(金潤順記者)

[朝鮮新報 2005.2.12]