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新しいアルバム「ラーム」発売 作曲家・崔和傳さんに聞く

祖国を愛する人々の心に

崔和傳さん

 30日に発売される、インスツルメンタルアルバム「ラーム」は、アジアの素晴らしい民族楽器の音をオリジナル楽曲でまとめた新しいアルバム。ラームとは、フランス語で魂という意味である。中国の二胡や日本の琴、朝鮮のカヤグム、ヘグム、ヤングン、チャンゴなどの生き生きとした音色が収められている。

 このアルバムの作曲者が崔和傳さん(50)。20代で斉藤信の名で活動を始め、有名な歌謡曲、ドラマ主題曲、CMなど数多くのゴーストライターを務めてきた。

 「韓流ブームの一方で、北への狂乱的なバッシングの嵐。日本の中では南と北がまさしく明と暗に分かれてしまった。こんなことは全くナンセンス。いつも心の片隅には朝鮮人ということがはばかれる時代に堂々と本名を名乗って仕事をすべきだという思いを抱いて生きてきた」

アルバム「ラーム」のジャケット(写真は朝高生たち)

 1世の父が他界したのが49歳の時。いつの間にか父の年齢を越えた崔さんは後悔のない人生を送ろうと50歳を期にカミングアウトした。

 「私たちは苦しい時代を生きた在日1世の背中を見て育った世代。胸の中に沈殿したものを吐き出しながら、暮らしの中であるがままの自然体で、自分のすべきことをやっていきたい」

 アルバム「ラーム」には、全部で9曲が収録されている。「人種を区別するのではなく、それぞれの文化を民族楽器のコラボレーションにより尊重しあい、楽しみあって、世界をボーダレスにする音楽の力をアジアから発信していきたいと考えた」

 中でも朝鮮のメロディーが持つ不思議な哀感は、アジアの中でもひときわ際立つ。「パラムー風」はその特徴あるメロディーを大切に日本語と朝鮮語のコーラスを交えた面白い構成になっている。随所に朝鮮楽器が使われていて祖国を愛するすべての国の人たちに向けたメッセージ性の高い曲。昨年秋、オーディションを受けて合格した東京、神奈川の両朝高の学生たちが、演奏に参加した。

 また、「水鳥を抱く河」も朝鮮を代表する民族楽器ヘグム、チャンゴなどを中心に演奏されている。すべての人は大きな力によって生かされているというテーマを水鳥の戯れる平和な風景をモチーフにアジアらしいフレーズで表現された心休まる作品に仕上がった。

 発売は全国のCDショップで。アルバムの予約番号はMTCH−1136、定価3000円。(粉)

[朝鮮新報 2005.3.23]