top_rogo.gif (16396 bytes)

広島で高麗書芸研究会第13回全国展 北、南、在日同胞らの作品317点展示

 今年15周年を迎える在日同胞書芸愛好家たちで結成された高麗書芸研究会。この間、日本(東京、横浜、大阪、京都、兵庫)を中心に、平壌、ソウル、中国(延辺)で展示会を開き、民族の団結、祖国統一に向けて尽力してきた同会の第13回全国展が21〜23日、広島県民文化センターで開かれた。北の朝鮮美術家同盟と南の韓国民族書芸人協会、そして広島、九州、岡山、島根、兵庫、大阪、京都、岐阜、愛知、神奈川、千葉、埼玉、福島、東京、福井の高麗書芸研究会会員らの作品、広島朝鮮初中高級学校の生徒たち、福島分会ペン習字クラブ、高齢者デイサービスセンターさむけあ・ありらん、椿の会の作品など総数317の作品が展示された。

ソウルでも展示会を

40点の作品を出品した在日1世のハルモニたち

 21日のオープニングには、総連中央・金尚一文化局長、文芸同中央・金正守委員長、総連広島県本部・金鎮湖委員長、広島県商工会・姜二中会長、広島県の 総連活動家たちと日本全国の文芸同各支部委員長、池上文夫・福山市議会議員、得田正明・呉市議会議員、熊野筆センター・久保田佐蔵代表取締役、日本書芸院二科審査員の三角秀雲さん、書道研究「書芸」総務理事・細川憬扇さん、日本学校の教員たち多数が参加した。また、韓国民族書芸人協会のヨ・テミョン会長、チェ・ドンミョン、オ・ミンジュンさんも駆けつけた。

 ハングルと漢字からなる大規模展示会が、広島で開かれるのは今回が初めてのことだ。

1世たちの作品に見入る朝高生たち

 高麗書芸研究会・張允植会長は、「被爆60年を迎える平和の都市広島で、13回展を開催できたことはとても有意義なこと。会場には北と南、在日同胞、広島県の朝鮮学校生徒、そして、高齢者の方々の作品が幅広く展示された。光復60年を迎える今年、この展示会をきっかけに、わが民族の願いである祖国統一を実現するのに書芸家たちが一役担えるよう努めたい。日本の書芸研究家たちとの交流も深めていきたい」と語った。

 また、ヨ・テミョン会長は、「展示会場に来る前に平和公園を見てまわった。桜のつぼみがふくらみ、まるでその中にわれわれの夢と希望がつまっているような気がした。平和の都市広島での書芸展開催をうれしく思う。光復60周年を記念して、北と南、そして在日同胞たちと中国延辺地域の同胞たちの作品をソウルでも展示できたら」と話した。

5年連続で学校賞

会場には北、南、在日同胞、6〜90歳まで幅広い年齢の作品が展示された

 広島では、文芸同広島支部書芸部長の韓静資さん(高麗書芸研究会常任理事)の指導のもと、10年前から広島朝鮮初中高級学校・初級部の教育カリキュラムに書芸を取り入れてきた。高級部でも書芸は選択科目になっており、韓さんが担当している。努力のかいあって広島初中高は、5年連続、広島県児童生徒書芸展で学校賞を受賞した。県内約2800校のうち、5年連続受賞はほかにはない。

 韓さんと、20年来の付き合いという久保田佐蔵代表取締役は、「仕事柄いろんな展覧会を鑑賞してきたが、ハングルの書芸展を見たのは今回初めて。力強い作品に感動した。より多くの人々に展覧会を知らせたい。このような展覧会が、今後15回、20回と続くことを願っている」と話した。

ハルモニたちの作品も

 同胞高齢者のためのデイサービスセンターさむけあ・ありらんでは、毎月書芸の時間が設けられている。韓さんによると、参加者たちの中には、過去にさまざまな理由から学ぶ機会を奪われ、文字を学べなかったハルモニたちが少なくない。書芸の授業では、初めはハングルと漢字で自分の名前や住所を書くことからはじめ、今回は「長生」「万年青春」「祖国」「統一」「喜び」など40点が展示された。

 会場を訪れたハルモニたちは、「みんな上手に書いとるね。おなじ手、おなじ頭で書いてもみんな違う」などと、思い思いの感想を述べながら、それぞれの作品を見比べていた。(金潤順記者)

[朝鮮新報 2005.3.26]