西東京学生会初の文化公演 共に悩み山越え、「ハナ」に |
西東京学生会第1回文化公演「ウリヌンハナ〜はじめの一歩〜」が3月27日、西東京朝鮮第1初中級学校(東京都立川市)で行われ、約120人が観覧した。学生会の新しい活動の一環として行われた初めての文化公演。出演者は全員で7人、最年少は小学5年生だ。準備期間は、みんなで一緒に悩み、山を越え、ハナ(一つ)になるための期間だったという。そして公演は、いままで自分たちを見守り、支えてくれた朝青のオッパ、オンニや父母たちに見せたい「はじめの一歩」だった。 まだ見ぬトンムへ
公演では7人による合唱、実技発表、サムルノリ、そして学生会OBと西東京留学同の歌や踊りが披露された。 チャンゴやケンガリなどの楽器に今回初めて触れる生徒もいたが、練習する過程で、自然と体でチャンダン(リズム)に乗れるようになったという。サムルノリはみんなが最も楽しんで練習した演目だ。 最後の合唱「学生会を大きなひとつに(ハッセンフェルル クンハナロ)」(原曲29ルル クンハナロ)では、7人全員が手をつないで合唱した。 日々、ウリマルを学ぶ姿を披露した「ある日の青年学校の風景」では、上級クラスの生徒たちが作品を発表した。 詩を発表した呉保南さん(4月から高3)は、自分がつらいときに見守ってくれた家族とともに、今では学生会そのものも、もうひとつの家族になったとつづった。中級部までは朝鮮学校に通い、高校から学生会に参加した。学生会活動を通じて、チョソンサラムの友だちの大切さをもう一度確認できた想いを詩にこめた。 前副会長の李則奈さん(今年高校卒業)は最後の合唱の前に友だちにあてた手紙を読み上げ、学生会で培った友情を今後も大切にし、10年、20年と共に支え合っていきたいと語った。 また、まだ出会っていない日校生のトンムたちへのメッセージでは、自分の国の過去を知ることやトンムたちとの出会いを知らずに学生生活を送るのは惜しい、学生会はいつでもみんなを待っているという思いを伝えた。涙でうまく言葉が出ない李さんに、舞台袖から「がんばれ!」の声が飛んだ。 力を合わせれば一つに
公演までの準備期間は、お互いに刺激し支え合う期間だった。開始当初は人数が少ないこともあり、成功するか不安という声もあがった。しかし遠い所から通う後輩の姿や、受験勉強の合間に練習を重ねるトンムの姿が、みなの足を練習へ、学生会へと向かわせた。 前学生会会長の黄昌浩さん(今年高校卒業)は、諸般の事情で今期サマースクールを開催されず最後の大きなイベントがなくなったと感じたことから、学生会から足が遠ざかっていたという。文化公演の練習が本格的に始まっても、しばらくはなかなか本気になれなかった。 「でも後輩ががんばる姿を見て、自分がやらなければ話にならないと思った。最後に公演ができてよかった。初めてにしては上出来だと思う」と笑顔を浮かべた。 公演が始まってからずっと涙が止まらなかったという同学生会OGの朴実千さんは「はじめの頃は頼りなくて心配もしたけど、練習を重ねるうちに成長していくのがよくわかった。公演を見て、学生会にまた戻りたいと思った。自分がいた時と比べて(サマースクールなど)当たり前だと思っていたことができなかった残念さを克服したからこそ、大きなものを得たのだと思う」。 新しく会長になった呉保南さんは「文化公演を初めてやってみて、学生会をこのまま終わらせてはならないという思いを強くしている。不安もあるがみんなで力を合わせればきっと一つになれる。チョソンサラムの友だちがいっぱいいるということを、ほかの日校生たちにも教えてあげるためにがんばりたい」と眼を輝かせた。(安愛麗記者) [朝鮮新報 2005.4.2] |