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東京学生会文化公演「Look up!」 44人の日校生ら歌、演奏、演劇など披露

 日校在学朝鮮人東京学生会第14回文化公演「Look up!」が3月30日、北区滝野川会館大ホールで行われ、同胞、日本人ら約550人が観覧した。公演には日本学校に通う同胞学生ら44人が出演。地域での活動と学生会活動で培った民族性をいかんなく披露。朝鮮人として堂々と生きていこうと訴える姿に、公演を見た人たちは大きな感動を得ていた。

友だち、親に感謝

フィナーレの合唱では「東京学生会の歌」などが披露された

 舞台では生徒たちの元気いっぱいの公演が披露された。

 オープニングでは、ハンドベルとボイスパーカッションの伴奏による重唱「メアリ」が披露された。学生会活動の過程で自分たちを育ててくれた人たち、共に涙と汗を流した友だち、応援してくれた親たちに感謝の気持ちを込めて歌った。

 「ムサチュム(武士の舞い)」では、高麗時代に外敵から国を守った武士たちの力強さを高3男子生徒らが踊りで表現した。

 ほかにもチャンダンノリ、カヤグム演奏、演劇「Look up!」、出演者全員による合唱などが披露され、会場の雰囲気は最高潮に達した。

 自分たちと似た境遇を持つ人たちに自分たちの姿を通じて勇気を与えようという思いと、学生会が自分を探してくれ、本当の「トンム」を見つけ、堂々と生きていくことの大切さを教えてくれた場所だとの気持ちを込めて歌う姿に、観客らは大きな拍手を送った。

生徒自ら観客動員

ボイスパーカッションの伴奏で重唱を披露する生徒ら
「チョッタ!」、チャンゴを叩き軽快なリズムを奏でる出演者ら

 同公演も今年で14回目を数え、内外の関心もいっそう高まっている。今回、会場に訪れた日本人らは約100人。同胞だけでなく日本人らの関心が高いこともうかがわせた。

 今年は出演者の生徒らが公演を見てほしい人たちに来てもらうため実際に家々を訪ねて動員して回った。こうして地域に住む日校生や同じ学校の友だちと先生たち、父母、兄弟らを当日の公演に招いた。

 出演者らは3月8日から約1カ月間、一日も休まず練習を重ねた。技術的な練習とともに、自分自身がどのような気持ちで本公演の舞台に立つかなどの討論も重ねた。

 「公演の主題に合わせて何からどうやって『Look up!』するのか」「堂々と生きることが、人が人らしく生きること」「公演をきっかけに、これからの人生でどのような状況でも譲歩できない貴重なものを探さなくては」など、出演者らはそれぞれの思いを胸に自分の答えを探し出していった。

「会での経験生かして」

公演を終え家族らと共に記念撮影

 訪れた観客らも感動の気持ちを感想文にしたためた。

 20代の女子学生は、「日本人だけど在日コリアンの友だちと付き合って今まで朝鮮に対する否定的な考え方が変わりました。将来、日本人として在日の人たちも住みやすい日本にできるような仕事がしたいです」と感想を記した。

 また37歳の女性は、「この会はとてもすばらしいと思います。欲を言えばもっと日本人に見せたいですね。私のように感動する日本人がいっぱいいると思います」と、来年も必ず来ると約束していた。

 一方、出演者の母親は、「毎年子どもたちの成長には驚かされます。学校や社会、家庭の中でそれぞれ悩みや不満などあると思いますが、すばらしい友に出会えたことは娘にとってもかけがえのない事。学生会での経験を生かし、一歩一歩歩いていってほしい」と子どもの成長ぶりにうれしさを噛みしめていた。

 「自分が学生会でがんばっていた時のことを思い出した。卒業して5年も経つと正直あの時何に燃え、一生懸命になっていたのか忘れてしまっていた。(公演は)大事な部分を思い出させてくれた」(学生会GO、23)【朝青東京】

[朝鮮新報 2005.4.12]