この胸を刺し その傷から流れる血で あなたの姿を描き 高く白い壁に掛けてみたい 別れはわたしにとって 死を意味するもの
(シン・フム、一五六六〜一六二八)
白い壁と、血の赤さのコントラストが、強烈な印象を与える時調である。赤い血で描いた肖像を見せられた男は、その激しさに打たれるだろうか? それとも、逃げ出すだろうか? 大政治家であり、大文章家、かつ大漢学者であった作者は、そんな激情を理解する人だったようだ。(朴c愛、朝鮮大学校文学歴史学部非常勤講師)
[朝鮮新報 2005.5.11]