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映画「海女のリャンさん」を観て(上) 北への一方的なイメージが変わった

 解放前、済州島から日本に渡り、今、大阪で一人で暮らす元海女、梁義憲さん(88)の生活を記録した長編ドキュメンタリー「海女のリャンさん」。04年度のキネマ旬報大賞文化映画ベストワンに選ばれ、昨年だけでも自主上映されて約1万人の人が観るなど反響が広がっている。次に紹介するのはある日本の中学校の「総合授業」で「海女のリャンさん」が上映された後の中学校3年生たちの感想である。

 「海女のリャンさん」の主人公リャンさんの生活をもっと日本のみんなに見てもらいたいです。すぐに隣国を孤立させようとしないで、こういう人のためにもっと考えたほうが良いと思います。この映画をつないで北朝鮮と日本の国交が回復することを祈っています。

 離れた子どもたちにあえてとてもよかったと思う。みんな船を出すな! と言っているけど、前は私もその一人でした。でもこの映画を見て、本当に止めてよいのかと思いました。できるだけ多くの人に、もしくは船を止めてほしいと思っている人に見てもらって、本当に船を止めてよいのか、考えてもらいたいです。とても勉強になったと思います。

 初めて海女と言う仕事を知りました。とても過酷な仕事で、私にはできないなと思いました。でもそんなにつらい仕事を続けられているのは、北朝鮮にいる息子たちのためと言っていたので、母の愛だと思い少し感動しました。

 リャンおばさんが長崎の対馬で3月から秋まで50メートルから100メートルも潜っていて、50メートルはまだ浅いと言っていたことがすごいなと思いました。しかし、そんなに潜っていたときが50歳だったということがもっと驚きました。それにいつも重いにもつを持って、息子に会うために北朝鮮に行っていたことがとてもすごいと思いました。

 リャンさんが自分の子どもや親せきに逢えないのは、とてもかわいそうだと思いました。きっと、リャンさんのような人は、他にもたくさんいると思います。それを変えるには、やっぱり国同士が考え、動かなければいけないと思いました。離ればなれの家族なんて、あってはいけないと思いました。

 家族なのに数えるくらいしか会えないのは、とても悲しいことだと思いました。リャンさんの「誰のせいにもできない。時代を恨むしかない」という言葉が印象に残りました。最後にリャンさんは「もうやり残したことはない」って言ってたけど、でも、これは本心じゃないんじゃないかと思いました。北朝鮮と日本の問題などくわしくわかっていないけど、単純なことじゃなくて、すごく複雑なものなんだなあと思いました。

※京都 「海女のリャンさん」7月9日に上映

 長編ドキュメンタリー映画 「海女のリャンさん」の上映会が9日、コリアサロン「めあり」の主催で京都市国際交流会館で開かれる。

 第1回上映15時〜、監督トーク16時30分〜、第2回監督トーク18時〜、作品上映18時30分〜。各回230人まで。前売り450円、当日500円。

 【問い合わせ】総聯京都府本部 TEL075・313・6161

[朝鮮新報 2005.6.15]