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第1回特別展 女性国際戦犯法廷の全容を紹介 「慰安婦」問題の記憶の拠点

アクティブ・ミュージアム 「女たちの戦争と平和資料館」オープン

入り口には沈黙を破った143人の被害女性の写真が展示されている

 戦時性暴力の被害と加害の資料を集めた日本初の資料館、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」が8月1日、東京・西早稲田にオープンした。

 敗戦から60年目の夏に開館した「女たちの戦争と平和資料館」は、2000年の東京・女性国際戦犯法廷の提案者で、VAWW−NETジャパンとアジア女性資料センターの代表だったジャーナリストの松井やよりさん(故人)の提案により設立された。

 彼女の死後、松井さんの遺産を原資に資料館建設運動「1億円キャンペーン」を展開。「女たちの戦争と平和人権基金」を立ち上げ、その遺志を継いだ多くの人々が歩みをともにしてきた。

アジアに広がった「慰安婦」マップ

 館長の西野瑠美子さんは、「資料館は、戦時性暴力の実態を、オーラルヒストリーに光をあてて記録、保存する場。ここは『慰安婦』問題の記憶の拠点となり、世界のどこにおいても二度とこのようなことが繰り返されないよう声を上げていく活動の拠点となることを目指している」と語った。

 面積約115平方メートル。ビルの一角を間借りし、入り口には9カ国、地域の元「慰安婦」143人の写真を展示した。日本政府、日本軍の動きと被害女性たちの足跡を示す年表から、その被害と広がりが一目でわかる。

 資料閲覧コーナーには、「慰安婦」に関する書籍、雑誌、文書証拠、裁判の記録、支援運動の記録まで、幅広く整理されており、ビデオ・ブースでは、「慰安婦」女性たちの証言ビデオ、紛争と女性に関するビデオ、女性国際戦犯法廷の全審理の記録等、貴重な映像が視聴できる。

オープニング記者会見の様子

 中央のオープン・スペースは、会議や小さな学習会に使え、今もなお世界各地で起こっている紛争と女性への暴力に関する情報・ネットワークの日本での拠点を目指している。

 また、場内の一角に設けられた松井やよりコーナーには、松井さんの机、椅子、本棚、遺品の数々を配置し、松井やよりさんの著作や記事を閲覧できる。

 資料館では、1回目の特別展示として、東京・女性国際戦犯法廷の全容を紹介している。

 法廷の審議全容、8カ国の被害者と加害兵士の証言、専門家証言と天皇、軍部、日本政府の責任、 慰安所マップ、「法廷」への道のりとグローバルな女性の連帯、世界の報道と日本の無視、教科書から消された「慰安婦」記述、「慰安婦」裁判と広がった支援運動が、テーマごとに展示されている。

 会期中8月の毎週土曜日(14時〜16時)には、「今も続く紛争下の性暴力 専門家とみる特別展」と題して、女性国際戦犯法廷を構成した歴史家、法律家の話を聞きながら、館内を見て回る。

 ●開館時間=水・木曜日11時〜6時、金曜日11時〜9時、土・日曜日11時〜5時

 ●休館日=月・火曜日、年末年始

 ●入館料=18歳以上500円、18歳未満300円、小学生以下無料。

 ●交通=地下鉄東西線「早稲田」駅から徒歩5分。東京都新宿区西早稲田2−3−18、AVACOビル2F。TEL 03・3202・4633。

[朝鮮新報 2005.8.8]