「民族の音色を楽しむステージ」、民族器楽重奏団「民楽」創立15周年記念公演 |
民族器楽重奏団「民楽(ミナク)」創立15周年記念公演が7日、東京・千駄ヶ谷の津田ホールで開かれた。 記念公演では、合奏「木蓮池の伝説」、ヘグム重奏「美しき我が海」、タンソ独奏「春の訪れ」、ヤングム2重奏「はまなすの花」、カヤグム重奏「楽しい休日」など10曲が披露された。 東京を拠点に日本各地や海外などでも幅広い活動を行っている「民楽」。民族の「民」と楽器の「楽」の2文字を重ね合わせた名前には、「民族の音色を楽しむ」という意味が込められている。
日本で生まれ育つ同胞の新しい世代のために、民族楽器が初めて祖国から贈られてきたのは1966年。 当時初級部4年生だった康明姫さん(代表)らはまさしくその第1世代にあたる。 「それまで朝鮮の民族楽器は、専門家が演奏するほか一部の学校で使用されるにすぎなかった。祖国からは、いち管弦楽団を編成できる22種97点におよぶ楽器が贈られてきた」 「民楽」は、民族教育を通して民族楽器と出会い、その音色に魅せられた在日2、3、4世たちで構成される。メンバーは、金剛山歌劇団OB、民族器楽の講師として教育現場で活動する者、愛好家、そして、平壌音楽舞踊大学通信教育卒業生などさまざま。
代表の康さんは、客席に向かい、「『民楽』の活動を温かく見守り、惜しみない協力をしてくださるたくさんの方々のおかげでこの日を迎えることができた。『民楽』はこれまで大小いろんな形の演奏活動を行ってきた。文化を愛することは異国の地で民族を守ることでもあると心得、これからも演奏活動を通して、民族文化を継承、発展させていくとともに、若い世代に引き継いでいきたい」と胸のうちを語った。 公演終了後、都内の辛美和さん(20)は、「友人3人が出演した。合奏『糸車のうた』とカヤグム重奏『楽しい休日』がとくに良かった。カヤグム重奏は調和がとてもよくとれていた。私も高級部の頃にやっていたので、またやりたいという気持ちがわいてきた」と話した。 西東京の朱R暾さん(69)は、「今日のような演奏会を開くことは、演奏する人にも、聞く人にとっても良いことだ。技術的にも優れており、とても感動的な公演だった。卒業後も、引き続き民族器楽を愛する人材を育てるというのは、これまた民族の心を守ることだ」と熱く語った。 会場には児童、学生、同胞、日本市民など約450人が訪れた。(金潤順記者) [朝鮮新報 2005.8.12] |