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〈本の紹介〉 あなたの大切なものはなんですか?…カンボジアより

 「あなたの大切なものはなんですか? それを絵に描いてください」

 著者は、12歳のとき、南アフリカ共和国の人種差別問題を目の当たりにして以来、70カ国以上におよぶ国々を訪問、さまざまな国際協力団体に所属し、医師として、写真家として活動している山本敏晴さん。

 本書はカンボジアを舞台に、たくさんの子どもたちと向き合い、彼らの「大切なもの」を通して、世界の多様性に目を向けている。

 四角い画用紙にさまざまな「大切なもの」の絵を描いていく子どもたち。

 彼らの「大切なもの」は、家だったり、牛だったり、国だったり、歴史や遺跡だったり、学校だったり…。

 カンボジアの子どもたちが描いた「大切なもの」は、明るい絵、暗い絵、よくわからないもの…と多岐にわたる。著者は「彼らの考え方とその背景をご覧いただき、さまざまな国に、さまざまな考えの人たちがいる。どんなに変わった考え方をしている人たちにも、必ず一緒に暮らしている家族がいて、大切な友達がいることを知ってもらえれば」と話す。

 山本さんは、同様の企画を「朝鮮でもぜひ行いたい」と考えている。

 小学館。1500円+税。東京都千代田区一ツ橋2−3−1。TEL 03・5281・3555。(山本敏晴)

[朝鮮新報 2005.8.17]