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「洪永佑・高三権2人展」 「わが民族の美意識そのもの」

「端牛節」 洪永佑

「歳月」 高三権

 既報のように、在日同胞画家の「洪永佑・高三権2人展」が、ソウルと済州市で開かれた。

 ソウル展の会場には、在日2世である両氏の絵を鑑賞するために、会期中3000人の市民たちが詰めかけた。

 洪さんは朝鮮画、高さんは油彩とそれぞれジャンルは異なるが、伝統的な民族的美意識を描こうと、長年血のにじむような研鑽を積んできた。

 洪さんが墨と顔料で描く朝鮮朝時代の牧歌的な農村風景。市場で生き生きと働く庶民の姿、大陸的な丸みを帯びたワラぶき屋根。村祭りのエネルギーにあふれた光景。絵からは朝鮮独特の懐かしい田園のにおいが漂ってくる。

 一方の高さんの作品にも多くの牛、鳥とともにいる朝鮮農民男女群像が躍動し、豊かな民族の情緒があふれ出ている。

展示会場をみてまわる朴容吉女史

 作品を見ただけでは、誰も在日2世の筆とは信じない。しかし、今回の「2人展」を前に両氏は「我々の民族的な感受性が、本国の人々にどう受けとめられるだろうか」という期待感と一抹の不安感も口にしていた。

 結果はどうだったろうか。「2人展」の開催に尽力した金潤洙国立現代美術館館長は、「異国の厳しい情況の下で民族的アイデンティティを堅持すること自体難しいことだが、両氏の作品には民族的情緒があふれている。日本文化の風潮に押し流されることなく、民族性を固持する姿勢がとてもすばらしい」と称え、「両氏の美的感性は、この土壌のこの民衆の民族的情緒とたがうところがない」と高く評価した。

 また、後日8.15民族大祝典のパーティーの席で洪さんと再会した6.15南側委員のハン・サンリョル牧師は、「日本で生まれたというのに、どうしてあのような民族的情緒あふれる作品を描けるのか。感動しました」と、同氏の手を強く握りしめたという。

 連日、現地のメディアも「人民、功勲芸術家のソウルお披露目」「在日朝鮮民族画家が2人展」などと大きく取り上げ、話題をさらった。両氏は絵を通じた祖国統一への寄与と北、南、在日の文化交流にますます弾みをつけたいと力強く語った。(朴日粉記者)

[朝鮮新報 2005.9.10]