虐げられた人たちと共に |
古書店主 上野朱さん 今春、滋賀県能登川町立図書館で開かれた「岡部伊都子さんを語る」をテーマにした対談の講師として出席した上野朱さん(49)は現在、福岡県宗像市で古書店を営む。 炭鉱労働者の自立と解放を願い、福岡県の筑豊炭鉱に「筑豊文庫」を設立し、炭鉱の記録者として生涯を送った故上野英信さんの一人息子である。 上野さんの幼い頃、自宅を開放した「筑豊文庫」に岡部さんがよく衣類などの救援物資を持って訪ねてきてくれたという。 日本のエネルギー政策の転換で閉山に追い込まれる炭鉱が相次ぐなか、採炭地を救援しようという運動がわき起こり、これに共鳴した岡部さんとの出会いが生まれた。 「長州出身の父は、家では家父長そのもののような存在で、母や岡部さんにもよく叱られていたが、終生虐げられた朝鮮人炭坑夫や被差別部落の人たち、失業者たちのために、怒り闘った」と振り返っていた。 [朝鮮新報 2005.9.14] |