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〈本の紹介〉 「陽は中空を過ぎて」 ある在日朝鮮人一世の定年後

 著者は、1927年に済州島で生まれ、幼少の頃に日本に来て、一時帰郷したあと再来日、東大で数学を専攻し、朝鮮大学校の教員となった経歴の持ち主である。 多くの在日1世と同じように、植民地支配→戦争→解放→戦争→分断という激動の現代史を生きてきた。

 60歳にして電子組版を業務とする会社を設立し、幾多の紆余曲折を経ながら今日までその運営に励んできた。健康維持のため毎日運動し、身体のみならず頭脳の運動もと中国語の勉強をスタート。また、ハングル能力検定協会の設立に深く関わり、理事の1人として運営に携わってきた。そして、50年ぶりに故郷を訪問して、兄、姉、妹たちと感激的な再会を果たした。

 著者は最後に、「今後もなお壮健に生き続け、多くの仕事をし、見聞を広め、経験を積み、有意義な人生を続けたいと願っている」と記している。(朴東廉著)

[朝鮮新報 2005.10.19]