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季刊雑誌「前夜」5号発行 韓明淑氏のインタビュー

 季刊雑誌「前夜」5号が発売中である。目を引く記事として、先月来日して、「戦後60年を問い、東北アジアと日本の未来をひらく女性のつどい」に、出席した南のウリ党国会議員・韓明淑さんのインタビュー記事「時代をひらく−韓国女性運動の経験」がある。

 韓さんは南の民主化運動と女性運動のリーダーの一人としてよく知られている。軍事独裁時代から運動の先頭にたち、79年のクリスチャン・アカデミー事件の際には、反共法違反で逮捕され、KCIA(韓国中央情報部)に連行され、激しい拷問を受け、2年半の投獄体験をもつ。

 出獄後は旧日本軍「慰安婦」の補償問題、女性差別の撤廃、人権獲得に取り組んできた。

 「前夜」のインタビューで、韓さんは南の女性運動の近年の成果について、日帝時代に作られた戸主制や同本同姓結婚禁止制度を撤廃させたことなどをあげた。

 さらに89年に男女雇用平等法が制定され、93年に性暴力特別法、「従軍慰安婦」被害者への生活支援法、96年に家庭内暴力防止法、01年に母性保護法などが制定されたと振り返った。

 同氏は今年3月2日、女性の念願だった戸主制度が廃止されたことは、「民主主義の根幹であり、個人の尊厳と平等などを法的に保証する」ものだと高く評価、さらに両性平等社会に向かう法的基盤を画期的に作ったと述べた。そして、これらの成果は「韓国女性運動が、劣悪な環境でも活発に粘り強くやり遂げた結果である」と振り返った。

 今後の問題点について、同氏は、政策決定過程への女性の参加度と行政管理職における男女平等を評価する女性権限尺度は03年度に78カ国中、南は63位(日本は38位)であると指摘。男女平等指数も南は29位(日本は12位)、OECD加盟国のうち経済活動参加率をみると、南は56.5%、日本は64%、スウェーデン76%で、南の女性たちの経済活動人口は増えなくはならないとした。さらに最も深刻な問題として南の女性たちの低出産・高齢化社会の現状をあげた。

 出生率が米国2.1人、仏1.89人に比べても南は1.13人で、世界最低水準だと指摘しながら、「この数字は南の女性たちのサボタージュであり、子供を生んだら仕事ができない」南の現状を全面的に改善していくべきだと強調している。(朴日粉記者)

[朝鮮新報 2005.10.30]