金剛山歌劇団創団50周年 広島同胞らが祝う 日頃の感謝の気持ち込め |
今年、創団50周年を迎えた金剛山歌劇団。それを記念して広島公演前日の9日、広島国際ホテルで県本部主催の祝賀宴が盛大に行われ、劇団員と同胞ら約100人が参加した。同胞らは、日ごろから華麗な舞台で人々を魅了し、朝・日親善に大きく寄与してきた金剛山歌劇団に感謝の意を表し、団員らと話に花を咲かせていた。団員らも、「同胞の温かい応援と支援なしには歩んでこられなかった道のり」だと振り返っていた。公演当日、会場には広島出身団員たちの家族、親せきも訪れ、大きな盛り上がりを見せた。 さらなる飛躍を
「日ごろの感謝の気持ちを込めて歌劇団50周年を祝おう」と祝賀宴参加者たちは団員らを温かく迎えた。 会ではまず総聯県本部の朴順鎬副委員長が同歌劇団が歩んできた50年の道のりを簡単に紹介した。金剛山歌劇団は総聯結成直後の1955年6月6日、在日朝鮮中央芸術団として創立され、内外の同胞や多くの日本市民らに愛される芸術団として成長し、現在までの公演数は6700回を超え、観客動員数は1400万人になったと強調。新世紀の在日同胞たちの志向と生活感、民族的情緒に合った芸術作品を上演して多くの人々を魅了してきたと語った。
つづいて県本部の金鎮湖委員長があいさつに立ち、「40年前に初めて公演を見たときに、われわれ在日同胞はとてもすばらしい芸術団を持っているんだ」と感激したと振り返り「これからも広島公演の開催をしっかりと支えていきたい」と語った。 県商工会の゙海一副会長の祝杯の音頭で参加者らは会食を楽しんだ。 舞台上では女性同盟県本部の李京順顧問が、洪嶺月名誉団長に創団50周年を祝い花束を手渡した。 洪名誉団長は、「祖国と在日同胞の両者から愛される芸術人は金剛山歌劇団員しかいない。10回話すより、1回の歌が人々に大きな感動を与えるということを団員らは実践を通して知っている。今は3、4世の若い団員らが1世の培ってきた伝統をしっかりと受け継いでいる。50周年を契機にもっと活躍の場を広げていきたい」と語った。 小公演で盛り上がり
つづいて小公演が行われ、軽快な司会のもと、さまざまな演目が披露された。中でも盛り上がったのが広島出身団員らの公演。地元の顔見知りの団員たちだけに、舞台に上がるたびに大きな拍手がわき起こった。 広島朝鮮初中高級学校卒業生で歌手の李康樹さん(28)は独唱を披露。会場ではウェハラボジとウェハルモニが孫の歌う姿をうれしそうに眺めていた。 ウェハルモニの南炳鎭さん(71)は、「あんな太い声出してのどが大丈夫なのかな」と心配しつつも、「がんばっている姿を見られてよかった。何とも頼もしく思えて。あとは早く結婚してくれれば」と破顔一笑した。
歌手の蒋基生さん(48)が舞台に上がると、弟の蒋基博さん(46)も舞台に上がった。あちこちから「そっくりだなー」との声が漏れ聞こえ、会場は笑いの渦に包まれた。 ほろ酔いで顔が赤くなりながらも、兄弟で熱唱し終えると一際歓声が大きくなった。「アンコール!」。 「もう無理だよ」と手を振り、照れくさそうに席に戻った弟の蒋さんは、「みんなの前で二重唱するなんて小学校以来」とテレながら、「こうやって一緒に歌うと本当に兄が頼もしく思える」と誇らしげに語った。 広島初中高卒業後、舞踊手として活躍する黄裕順さん(22)。広島での公演は今回で4度目だが、凱旋公演をするたびに「胸が熱くなる」と言う。舞台でコメントを求められると涙で言葉を詰まらせていた。 「同胞たちの支えが大きな力。公演をするたび同胞らの温かい気持ちが胸に染みてくる。同胞たちにもっと喜んでもらえる舞踊手になりたい」(金明c記者) [朝鮮新報 2005.11.12] |