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「熱意こそが成功への秘訣」

司法書士 李永鍋さん

 「とにかく2年間、必ず受かってやろうと必死でした。何事も熱意を持ってやれば成功するんだと」

 「平成17年度司法書士試験」に合格。広島朝鮮初中高級学校の卒業生から初だ。たった2年の勉強での合格に家族や知り合いらは驚き、また自分のことのように喜んでくれたという。「学生時代は自他ともに認める『悪』でしたから相当驚かれました」(笑)。

 広島初中高卒業後、同胞金融機関の朝銀に14年間勤務した。朝銀西との合併後、「自分が今まで培ったものを模索したかった」と1年間、家電回収の同胞企業に勤めた。

 「ふたを開けてみると自分にできるものがなんにもなかった。このままで自分の人生終わるのかなってね。本当に迷った…」

 他人にはない「技術」か「知識」を身につけようと天秤にかけた時、後者を選択した。「やるなら難しい道に進もう」と出した答えが司法書士だった。金融機関に勤めた経験と知識を生かせる「同胞生活に密接なもの」と考えていたからだ。

 当初、「受かるはずがない」と周囲は大反対。しかし、「覚悟」が周りの口をふさいだ。親友の同級生2人に保証人になってもらい、試験勉強に打ち込む間、生活するため多額の借金をした。人一倍義理がたい李さんは、「親友らを早く安心させたい」と酒とタバコをやめ、毎日13時間勉学に打ち込んだ。

 「合格後、見合い話がたくさん舞い込んで来たって聞いて笑いましたよ」

 遅咲きの35歳。

 「将来事務所を構え、金融、不動産関係、経営者の法律分野の向上などのアドバイスを同胞たちにしていきたい」

[朝鮮新報 2005.11.15]