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〈第84回全国高校ラグビー大会〉 「これぞ朝高ラグビー」、3000人の同胞が大声援

「貫禄の圧勝」

 ぞくぞくと詰め寄せる同胞たちの波が止まらない。第1試合だというのにバックスタンドはほぼ埋まった。

 試合開始を告げるアナウンスとともに選手が入場する。割れんばかりの拍手と「朝高!」「イギョラ!」の声。夢の続きが始まった。

 試合は朝高有利の展開で進む。序盤からトライをテンポ良く積み重ね、前半を終えて22点のリード。同胞たちの表情にも笑顔が絶えない。「これぞ、大阪朝高のラグビーや」と誇らしげに眺める。

 しかし、大勝のムードにも決して気を緩めたりはしない。初戦が接戦だっただけに小さなミスにも厳しい声が飛ぶ。大阪の同胞たちはラグビーを見る目も肥えている。「モールで押せ!」「ラックから入れ!」「今のはオフサイドや!」と、ラグビー用語が宙を飛び交う。

 後半。朝高は相手の反撃を許し、試合は五分の様相を呈する。ここぞとばかりに同胞たちの声援も大きくなる。「チャバラ!」「マガラ!」と身を乗り出して選手を鼓舞する同胞たち。みな自分の声が芝生の上に届くと信じている。

 結局、試合は43−10で朝高の圧勝に終わった。これでベスト16だ。誰かれかまわず肩を抱き合って喜ぶ同胞たち。試合後、一列になってあいさつをする選手たちに温かい拍手が送られた。

「互いに手の内知る」

 2回戦とは違い、接戦だった初戦。対戦校の東海大翔洋とは一度、練習試合で対戦したこともあって互いに手の内は知っている。初戦という独特の緊張感が立ち上がりを難しくさせるせいか、いつもの朝高らしさがみられない。それは見守る同胞たちにも伝わっていた。なかなかはっきりしない試合展開にやきもきするスタンド。そして後半、ついに逆転を許してしまう。

 しかし、ここからが強かった。同胞たちも誰ひとりあきらめていなかった。力強い突進で何度となく敵陣深くまで入り、高い集中力で逆転のPGを奪った。ゴールが成功すると、同胞たちはみな席を立ち、両手を突き上げて何度も「マンセー!」を叫んだ。

 次はベスト8を賭けてたたかう。頂点まであと4つ。同校ラグビー部OBで現在は朝大ラグビー部のコーチを務める李鐘基さん(26)は、「後輩たちのがんばっている姿に勇気づけられる。全体的に意思の統一がなされていて非常に一体感を感じさせるチームだ。次の試合も期待が持てる」と話していた。(韓昌健記者)

[朝鮮新報 2005.1.1]