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〈第84回全国高校ラグビー大会〉 シード校 正智深谷に互角の戦い

 第84回全国高校ラグビーフットボール大会(2004年12月27日〜2005年1月7日、近鉄花園ラグビー場)に2年連続で出場した大阪朝鮮高級学校。3回戦の正智深谷に敗れはしたものの、ベスト16入りを果たし、その名を全国に知らしめた。3回戦の試合記録の戦評も「互角の戦い、攻守にわたり見ごたえのある好ゲーム」と全国レベルにあるその実力を称えた。大阪朝高の戦いぶりを振り返った。(記事=金明c、韓昌健記者、写真=姜鐘錫記者)

「イギョラ! 大阪朝高ラガーメン!」の横断幕を背に4回目のトライを成功させた2番朴鐘護選手(対若狭高戦、前半28分)

 初出場の前回は、全国の同胞とラグビー関係者らの注目が集まる中、1回戦を80−0で圧勝。2回戦は正智深谷(埼玉)に敗れはしたものの互角に渡り合い、全国制覇もそう遠くないことを実感させた。

 2度目の出場となった今大会。順当に勝ち進めば、正智深谷と当たることが予想された。しかし、まずは目の前の敵を倒さなければ元日の3回戦にもたどり着けない。

 「花園に置き忘れた物を取り戻す」を合言葉に臨んだ12月28日の初戦、東海大翔洋高校(静岡)との試合はしかし、ハラハラさせる展開となった。

 朝高は前半、2本のトライとペナルティーゴールで12点を奪う。この勢いで後半も余裕かと思われたが立て続けにペナルティーゴール、トライ、ゴールを許し12−13と逆転された。

観客席を埋め尽くした応援団(1回戦、対東海大翔洋戦)

 試合終了5分前、1点を追う大阪朝高選手らには焦りの色が見え隠れしていたが、そこから底力を発揮した。ゴールまであと約10メートルでスクラム。執ような縦突進が続き、ここで試合が止まった。相手の反則でゴール正面15メートルからのPGを得た。

 歓喜にわき立つ同胞応援団にベンチからは「静かに!」のジェスチャーが飛ぶ。観客らが見守る中、キッカーの趙顕哲選手(3年)が落ち着いて決めた。直後にノーサイドの笛が鳴る劇的な幕切れだった。

 12月30日の2回戦は若狭高校(福井)との対戦。「前回の2回戦を乗り越える」ことが目標だった大事な一戦は終始、大阪朝高のペースで進んだ。

前半12分、5番金耕司選手のトライ(1回戦、対東海大翔洋戦)

 早い時間からトライを成功させ、前半で22点差をつけた。後半に2つのトライを許したものの、7トライ4ゴール、計43点を奪う圧勝で試合を決めた。

 だが、ハンドリングのミスが目立った試合展開に主将の河勇吉選手は、「まだまだ課題、反省する点が多い」と語り、3回戦の正智深谷戦での雪辱を誓った。

 トンガ人留学生を擁する正智深谷を相手に、大阪朝高は前後半を通して、ほぼ互角に渡り合った。

 ラスト5分に3トライを許し敗れはしたもの、後半終了5分前の逆転劇は応援団の目にしっかりと焼きついた。

開会式にのぞむ大阪朝高ラグビー部選手たち

 正智深谷高校の坂本満監督(50)は、「難しい試合になることは最初から予想していた。逆転された時は少し焦ったが、最後まで選手たちを信じていた」「大阪朝高は昨年に続き、コミュニケーションがうまく取れていた。バランスの取れたいいチームだ」と感想を述べた。

 金信男監督は、「敗れはしたが、しっかりと次につなげたい」と力強く語った。

 今春、同校に東大阪朝鮮中級学校ラグビー部1期生が入学した。東大阪ラグビースクール出身の1年生もいる。また、OB会、父母会、学校が一丸となってのバックアップ、在日同胞、府民の応援も力になっている。

 これから「花園」までの1年間、同部の成長に期待がかかる。

[朝鮮新報 2005.1.6]