〈「2月の名節」慶祝 駅伝、マラソン大会〉 東日本 言葉に変えられない「爽快感」 |
勝敗にこだわらず笑顔でレース 第6回東日本地方朝鮮人新春駅伝大会が13日、東京都内の荒川河川敷で行われた。誰もが参加できる「ロードレース」(3キロ、5キロ)が去年に続き開催されたほか、初級部、中級部男女、高級部男女、一般男女の7部門に分かれ競技が行われた。大会には、朝鮮学校生徒や教員、一般参加者、関係者ら約350人が集まった。駅伝に参加した選手たちは、「前の選手にしっかりついて」「最後までがんばれ」など、沿道からの声援を受けながら走りを楽しんでいた。 今年も「ロード−レース」
競技は従来どおり、荒川河川敷の西新井橋から堀切橋を周回するコースで行われた。参加者らは、初・中・高級部、一般部門に分かれて、5、6区間の計12〜20キロをそれぞれ走った。 ロードレースも勝敗に関係なくみんながレースを楽しんだ。 東京朝高男子部門には、空手部とテコンドー部の生徒らが参加した。 上はTシャツ、下は胴着を着て走るテコンドー部員の姿は見るからに寒そうだったが、愛きょうある走りに沿道から拍手が送られていた。
主将の李尚大さん(高2)は負傷のため出場できなかったが、「勝敗よりもとにかく完走することが目標。来年は必ず1位になります!」と隣にいた後輩の肩を叩いていた。 会場でひときわ目立っていたのが朝青足立支部のメンバー。地元開催とあり、3チームが出場した。総勢30人が現地に駆けつけ、「焼陥卓(足立)」「高砂班」と書かれた看板を掲げ、選手の名前を大声で叫びながら応援した。 とくに同支部・高砂班のメンバーらは、この日のために「高砂班」と書かれた黒のTシャツをそろえる気合いの入れようだった。威勢のいいガラガラ声で、場の雰囲気を人一倍盛り上げた同支部・副委員長の姜昇慶さん(25、非専従)は、「とにかく足立はがんばっているんだというところをみんなにアピールしたかった。成績こそふるわなかったが、順位は関係ない。みんなで走ったことに意義がある」と笑顔で語った。 「中年チーム」も青春
生徒や若い者に負けじと気をはいたのが、東京朝高陸上部OBとワンコリアンズだ。 第1回目から参加している東京朝高陸上部OBは、一般部門で3位に入った。今年で6年目を迎える同チームのメンバーは現在10人。毎年1度は共に走ろうと同大会に集まっている。毎年使うオレンジ色のタスキには、歴代メンバーの名前が刺しゅうされている。 「来年の出場を機にもう終わりにしようかな」と話す孫周憲さん(50)。「当時の同級生や後輩たちがいるからこそこうやって集まることができる。来年、中年最後の青春を味わおうかと思うが、体力が続くかぎり参加したいですね。走ったあとの爽快感は言葉に変えられませんから」とほほ笑んだ。 ワンコリアンズは今大会2位。30〜50代の同胞らがメンバーで、6.15共同宣言が発表された5年前に結成された。それにちなんでチーム名もワンコリアンズにした。 青梅マラソンやハーフマラソン、フルマラソンにも挑戦した実績を持ち、メンバーも徐々に増えてきている。現在共に活動するのは25人。 在日朝鮮人陸上競技協会・副理事長で同チームの金昌弘監督(40)は、「いろんな大会に出場して、『在日』社会にマラソンをどんどん普及させたい。走りをやれば何かが生まれる。年一度のこの大会にも多くの人たちが参加してくれれば」と語っていた。(金明c記者) 【競技成績】 ▲中級部男子−@埼玉初中A神奈川初中高B東京第5初中 ▲中級部女子−@東京第1初中A東京中高B神奈川初中高 ▲高級部男子−@東京中高・空手部A東京中高・テコンドー部 ▲高級部女子−@東京中高A神奈川初中高 ▲一般男子−@朝青西東京AワンコリアンズB東京朝高陸上部OB ▲一般女子部門−@朝青足立 [朝鮮新報 2005.2.17] |