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山で元気!−打見山(滋賀県、1101m)

 冬は厳寒、積雪は多いのがうれしい。しかし、昨年の新潟中越地震の被害地・小千谷地区に雪の降り積もる映像を見ると、心が痛む。今年は大陸の高気圧が強く張り出し、雪を多量に降らし続けている。関西の近場の冬山、比良山に挑戦することにした。

雪中で温かいテチャン鍋を楽しむ山遊会のメンバーたち

 2月6日、2台の車で男4人、女2人が、雪がちらつく登山口に着く。山頂付近の積雪情報は2メートル20センチ。入山者は我々を追い越した中年女性1人、先頭でラッセルしている若者2人にわれわれの6人のパーティの3組のみ。登山道はラッセルされているが、膝までズボズボ埋まる。しんどい、進まない、夏場では1時間弱で到達するクロトノハゲに、2時間以上かけているのに着かない。登るほど雪が深くなり、1メートル以上のストックも空を突く。

 われわれを追い越していった中年女性が降りてきた。彼女曰く「先頭のラッセルしている若者2人もあまりに積雪が多いので相当ばてているようだ。先に進むのが遅々としているので引き返してきました」。リーダーはこれ以上の登山は無理と判断、「ここで昼食を取り、撤退する」ことを決断する。

 雪を掘り食事場所を確保する。凍てつく両手をさすり、恒例のテチャン鍋に取りかかる。猛烈に寒い。気温はマイナス5度、口に入れるウィスキーが身も心も熱くする。普段口にもしない女性がもっと欲しいとせがむ。温かいテチャン料理とウィスキーが気持ちを豊かにし、景色を楽しむ余裕が出る。 ブナの落葉樹に雪と霧氷が吹き付け見事な花を咲かせている。緊張が解けたのか、「こんなすばらしい景色に出会えて最高!」と、全員に笑顔が戻った。

 先頭でラッセルしていた若者2人も下山してきた。「頂上まで挑戦しようとしたが、積雪が多すぎるので、断念せざるをえませんでした」。日が暮れるのも早い。われわれも彼らを追うように下山した。70に手が届きそうな会長、「今回は達成できなかったが、山は逃げて行かないので、来年冬に再挑戦するぞ」と車に乗り込んだ。背後の山は薄暗かった。(2月6日、登山クラブ「山遊会」幹事、金相煥)

 【コースとタイム】登山口〜クロトノハゲ〜木戸峠〜山頂駅〜ロープウェイ〜山麓駅、8キロ、5時間30分

[朝鮮新報 2005.2.25]