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朝鮮女子アイスホッケーチーム 再昇格めざし猛練習中

 【平壌発=李松鶴記者】アイスホッケーは朝鮮でもっとも人気のあるウインタースポーツのひとつだ。なかでも女子アイスホッケーは、世界的にもレベルが高く、今月にイタリアで行われる国際大会に向けて昼夜分かたず練習に励んでいる。

平均年齢21.4歳

1グループへの再昇格めざし猛練習を続ける朝鮮女子ナショナルチーム

 朝鮮国内には現在、5つの女子アイスホッケーチームがある。両江道、滋江道などすべて地方のチームだが、今年からは平壌にも女子アイスホッケーチームが発足した。

 これらのチームは、国内で行われる白頭山賞、万景台賞などの4大会でリーグ戦を行い、その中から優秀な選手がナショナルチームのメンバーとして抜擢される。

 女子アイスホッケーは、国際的にランク付けされている。トップグループは、ロシア、カナダ、フィンランド、スウェーデンなど8カ国、その下の1グループには、スイス、フランス、デンマークなど6カ国が属し、2グループにはイタリア、オーストリア、ノルウェーなどの6カ国が属している。それぞれのグループが毎年競技を行い、それぞれ最下位の国がその下位グループのトップの国と入れ替えになるというシステムになっている。

 「朝鮮は昨年まで1グループに属していたが、世代交代の影響もあり、2グループに転落した。2グループの大会が3月14〜20日にかけてイタリアで行われるが、選手たちは1グループへの再昇格を目標にがんばっている」とキム・ガンチョル体育指導委員会アイスホッケー副書記長(47)は語る。

 現在、ナショナルチームの平均年齢は21.4歳。男子サッカーなど他のスポーツ同様、若い選手たちで構成されている。

 ナショナルチームのトレーニングは平壌にある氷上館で3〜4カ月にわたって行われる。午前のトレーニングでは氷上での基礎的なトレーニングとフィジカルトレーニングをそれぞれ1時間ずつ行い、午後は氷上での実戦的なトレーニングを2時間かけて行う。

 「女子サッカーやソフトボール同様、女子アイスホッケーの選手たちも粘り強いのが特徴。さらにフィジカル面では他国の選手に比べて体は小さいが、その分スピードがあるのがいい」とキム副書記長は述べた。

チームの「老将」

 朝鮮では、工場や企業所などで有能なベテランを「老将」と呼び、敬い慕う。それはスポーツの世界でも同様で、ナショナルチームにも若い選手たちに「老将」と呼ばれる選手がいる。

 両江道体育団に所属するパク・クムシル選手(32)は、21歳の時からナショナルチームで活躍してきた。現在はキャプテンを務めている。

 アイスホッケーを始めたきっかけについて、「中学校を卒業する時、国内で初めて女子アイスホッケーが普及し始めた。もともとスポーツ選手になるのが夢だったが、どうせなら女子アイスホッケーの初の国家選手になろうと始めた」という。

 ナショナルチームのトレーニングで3〜4カ月家を空けるばかりか、普段も地元の体育団のトレーニングでほとんど家事をすることができないが、「夫の理解があるから選手生活を続けることができる」。

 現在のナショナルチームについてパク選手は、「技術面では若干劣るが、トレーニングに対する意気込みは高い。このまま行けば、すぐにでも技術的に追いつく」と評する。

 「今大会で全力を尽くし、必ず1グループに再昇格したい。それが実現したら、これまで支えてくれた夫に恩返しをするためにも引退するつもりだ」と、少しはにかみながら抱負を語ってくれた。

[朝鮮新報 2005.3.3]