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新天地・名古屋グランパスエイトでのデビュー戦で、ベストプレイヤー賞に輝いた安英学選手

 2月9日に埼玉スタジアムで行われたサッカーW杯アジア地区最終予選・日本戦で朝鮮代表としてスタメン出場した在日同胞Jリーガーの安英学選手(26)。その活躍ぶりは記憶に新しいところだが、安選手は今期、アルビレックス新潟から名古屋グランパスエイトに移籍。5日のJリーグ開幕戦でおなじみの背番号「17」を付けスタメンデビューした。

「名前呼んでの応援うれしかった」

瞬時に反応し、ボールを奪う安選手

試合開始前、チームメイトと記念写真に収まる安選手

 試合は後半に失点が続き2−2と惜しくも同点で試合が終了。勝利を収めることはできなかったが、安選手はこの日、ベストプレイヤー賞に輝いた。

 試合後、安選手は「新鮮な気持ちでプレーできた。サポーター席から名前を呼んで応援してくれたのがとてもうれしかった」とグランパスの一員であることを実感していた。

 安選手のMFとしての素質は監督のお墨付き。テレビなどメディアでも多々紹介され戦力面、精神面でもチームに貢献していくだろうと期待されている。

 この日もボールに対しての反応の早さや、正確なキープ、粘り強い守備は高く評価されていた。試合中の好プレーにはサポーター席から「安英学! 安英学!」との声援も飛んだ。

 安選手は「勝てなかったのがとても悔しい」としながらも、ベストプレイヤー賞に輝いたことに、「11人の中で選ばれたのだからうれしい」と話していた。

 この日、愛知県下の朝鮮学校生徒、同胞ら約300人が応援にかけつけグランパスのサポーターとともにピッチに声援を送った。

 「一試合一試合を感動を与えられる試合にしたい。同胞たちの気持ちに応えられるような試合をしていきたい」(安選手)。

愛知朝高サッカー部の練習にも

声援を送ってくれた同胞、サポーターに手を振る安選手

 安選手は移籍後、愛知朝鮮中高級学校をたびたび訪れるという。この日の試合にも高級部サッカー部員たちを招待した。

 サッカー部の李太繩ト督は「何度も学校に訪れ、一緒にボールを蹴ったり練習の見学してくれている。生徒たちにとってはたいへんな刺激になっていると思う。国家代表の選手が兄弟のように接してくれ、生徒たちがとにかく喜んでいる。テレビで活躍を見るようになった今でも変わらず接してくれる。飾らない彼はほんとにすばらしい」と大絶賛。「彼の姿を通して子どもたちが同胞愛を忘れぬ立派な大人になることの大切さを学んでほしい」「これからは安選手所属のグランパスを熱烈に応援していく」と話す。

応援に駆けつけた同胞サポーターたち。新天地での安選手のプレーに目が離せない

 「安選手がグランパスに移籍したことは、地域の朝青活動活性化にもつながると思う。安選手がパワーをくれる分、応援を通してパワーをあげられるよう、これから取り組んでいきたい」と朝青本部の趙賢委員長は語った。

 総聯県本部の河貞鳳委員長も「安選手は愛知に来るや、まず本部にあいさつに来てくれた。先日のワールドカップ予選の朝鮮対日本戦では同胞たちに大きな力と勇気をくれた。同胞たちは心から歓迎している。実際にもとてもすばらしい青年だ。応援に力をいれていきたい」と述べた。

 「とても尊敬している。プレーだけではなく、テレビで語る安選手の言葉や誠実さに心を打たれた。学校にも遊びに来てくれてほんとうに感激している。朝鮮代表の在日として堂々と試合に臨む姿勢を見習っていきたい」とサッカー部の朴鐘寿主将(高2)。

 子どもが大好きな安選手は、新潟にいた際にも新潟朝鮮初中級学校によく足を運んだ。

 名古屋に移籍後も朝鮮学校に行く楽しみは変わらないようで、暇を見ては訪れている。「生徒たちにとってはヒーロー的な存在」と愛知中高の黄判坤校長は話した。(文、写真=盧琴順記者)

[朝鮮新報 2005.3.10]