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第12回「ピョンファ杯」(広島) 中断危機救った朝・日サッカーマンの友情

「しっかりせぇ!」と日本高校先生ら激励

広島朝高(広島)×初芝橋本(和歌山)の試合

 雨、風、雪という悪条件が重なった中での試合。

 3月24、25の両日、広島県で開かれた第12回「ピョンファ杯」は、厳しい寒さのなかで進められた。参加校は、広島、京都、大阪、神戸の朝高と、作陽、大社、多々良、初芝、皆実、沼田、山陽の11チーム。

 主催の広島朝高サッカー部後援会・呉相錫会長は、「ピョンファ杯参加校の中からJリーグで活躍する選手も育ち、広島朝高サッカー部からは李漢宰選手が2006年ワールドカップアジア予選において国家代表に選ばれ、私たちに大きな喜びを与えてくれた」と話した。会長をつとめて今年で7年目になる呉さんは、朝鮮に対する異常なまでのバッシングや朝鮮学校に対する悪質な嫌がらせなどで、今年の「ピョンファ杯」開催が一時危ぶまれたとの内幕を語った。

朝高選手のプレーを見守る学父母たち

 「これまでもいろいろあったけど、今回はとくに厳しかった。そんなとき沼田高校の江濱先生が、これはあなたたちだけの大会じゃない、しっかりせぇ! と、励ましてくれた」(呉会長)

 その江濱律夫監督は、「世間の風当たりは厳しいけどがんばって行かな。ピョンファ杯はわが校にとってもチームを強化するうえで重要な位置にある」と話した。

 サンフレッチェ広島のゼネラルアドバイザー・今西和男さんは、「スポーツに政治を介入させてはダメ。私たちが築き上げてきた友情が崩れないようがんばりたい。李漢宰選手もたくさんの観衆の前で良いプレーを見せた。彼が国家代表に選ばれたことは、サンフレッチェにとってもうれしいこと。この大会を通じて、私たちの友情をより深めていければ」と語った。

 大会初日には、他県からも多くの学父母たちが駆けつけた。崔光然さん(高3)の父、崔輝煥さんは倉敷から2時間かけてやってきた。息子の試合は、時間の許す限りどこにでも行くようにしている。

 「息子にも李漢宰選手のような才能があるのなら、ぜひその後を継いで良いプレーヤーになってほしい」と崔さん。母親の洪玲子さんは、「息子はいつかプロになりたいと望んでいる。今日は雨の中、日頃の練習成果を十分発揮できたと思う」と話した。

 優勝した多々良高校(全国ベスト8)の白井三津雄監督は、「ピョンファ杯はJリーグの発足と時を同じくしてスタートした。広島朝高は人数が少ないのが悩みのようだが、少数精鋭、良いプレーヤーも育っている。インターハイや選手権大会に出場するチームと試合をするのは良い経験。デイフェンスは経験の数だけ上達する。大阪朝高や広島朝高は、この十数年間でインターハイに出場するまでの力を養ってきた」と話した。

 朝高勢は広島が3位、4位、5位が神戸、大阪だった。(金潤順記者)

[朝鮮新報 2005.4.7]