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第15回「イギョラ杯」(東京) 東京、広島朝高と錦湖高が交流会 サッカー通じ友情深める

 第15回イギョラ杯国際親善ユースサッカー記念大会(主催=東京朝鮮中高級学校サッカー部OB会、(財)東京都サッカー協会)が、3月27〜30日に行われた。

 「サッカーを通じて日朝の親ぼくを深め、ユース年代選手の育成とユースサッカーの発展に寄与する」のが趣旨。

 大会には東京朝高、広島朝高、錦湖高校(南朝鮮)に加え、桐蔭学園高校(神奈川)、前橋商業高校(群馬)、帝京高校(東京)、成立学園高校(東京)などの強豪校、東京ヴェルディユース(東京)、FC東京ユース(東京)などの有名ユースチームをはじめ、全16チームが参戦しサッカー人気を反映するような高水準の試合を繰り広げた。なお、南朝鮮で強豪と名高い錦湖高は「独島問題」で来日が制限されるなか、「特別許可」での参加、2度目の出場となった。

広島朝高(広島)×常葉学園橘高校(静岡)の試合(3月29日、深川グラウンド)

 予選は4チーム、4組のリーグ戦(27、28日)、決勝は各組同位同士のトーナメント(29、30日)方式で行われた。おりしもワールドカップ予選期間中に行われた今大会は、その気迫が乗り移ったような白熱した試合が多くPK戦までもつれ込む接戦も見られた。

 第15回優勝は東京ヴェルディユース。東京、広島の両朝高は予選リーグ4位、錦湖高は予選リーグ3位に終わった。

 広島朝高の高隆志監督は大会を振り返り、「非常にレベルの高い大会に参加でき、多くの収穫を得た。今後、結果を残すことで期待に応えていきたい」「サッカーを通して立派な人間を育てていきたい」と話した。

 大会最終日の30日には東京朝高と錦湖高が親善試合を行った。親善試合とはいえ、両者譲らない好ゲーム。東京朝高吹奏楽部が「パンガッスムニダ」などの演奏で花を添えた。試合後は、広島朝高と錦湖高を歓迎する集いが東京朝高サッカー部主催で開かれた。

試合後、互いの健闘を称える東京朝高、錦湖高の選手たち(3月30日、東京朝鮮中高級学校)

 最初こそ「話が通じるだろうか…」という不安と照れからか、七輪を前に黙々と焼肉を食べていたが、そこは同年代のサッカー仲間、ましてや同じ民族。すぐに意気投合しサッカー談議に花を咲かせていた。憧れのサッカー選手から始まり、ワールドカップ、芸能人、祖国の話と話題は尽きない。

 打ち解けたところで、東京朝高の合唱部が歓迎の歌を披露した。錦湖高の選手たちはチョゴリを着て歌う女子生徒を興味深く眺めては大きな拍手を送っていた。つづいて各学校別に歌や一発芸を披露し、場をさらに盛り上げた。ここでは広島朝高がこの日一番の笑いと拍手をとった。

 錦湖高のパク・ヒョンボムさんは「こんなに楽しい食事会は初めて」と笑顔を見せた。隣の金秀成さん(東京朝高)は「同じ民族、同じサッカー仲間同士、同じ言葉で話せることが楽しい」。

 七輪からあがる赤い炎に無数の笑顔が映し出されていた。

 別れの時がくると、みな写真を撮ったり、連絡先の交換をしたり。東京、広島の選手たちは日の落ちたグラウンドのなか、去りゆく錦湖高生たちにいつまでも手を振り続けていた。(鄭尚丘記者)

[朝鮮新報 2005.4.7]