〈2006年サッカーW杯アジア最終予選〉 対バーレーン、イラン戦 朝鮮のサポーター 選手の健闘称える |
【平壌発=文・李松鶴、写真・盧琴順記者】既報のように、2006年サッカーW杯アジア地区最終予選B組の朝鮮×バーレーン(3月25日)、朝鮮×イラン(同30日)の試合がそれぞれ行われた。結果は審判の判定に疑惑を残しつつ、1−2(対バーレーン)、0−2(対イラン)と敗れたが、観衆は最後まで選手たちに温かい声援を送った。 高い技術披露
朝鮮の選手たちは、2試合ともにドリブル、パス回しなど高い技術を至る場面で披露した。 バーレーン戦では、相手がディフェンスをメインにカウンターを狙うという戦術を取ったこともあり、90分中およそ8割はボールを支配し、相手ゴールを何度となく脅かした。 選手たちが相手ゴール前に詰め寄るたびに、観衆たちは立ち上がり、「早くシュート!」と叫ぶ。 前半5分頃、相手のカウンターで1点を失った際、選手はもちろん観衆も一瞬あっけに取られ、場内は静まり返ったがその後はさらに声援がヒートアップした。
観衆の声援に後押しされ、選手たちも終始主導権を握って試合を進めたものの、結果にはつながらなかった。 5日後に行われたイラン戦は、バーレーン戦で技術面でも体力面でも引けをとらなかったにもかかわらず、結果につながらなかったもどかしさもあり、観衆の応援ぶりはさらに熱を帯びていた。 体格的にはイランの選手が上回るものの、朝鮮の選手たちは持ち前の突破力とパス回しで互角に渡り合った。しかし、主審の度重なる疑惑判定も影響し、勝利にはつながらなかった。 「6月にまた来い」 「(在日同胞Jリーガーの)安英学選手は、自分がボールを持ったときはほぼ支配し、味方につなげていた。他の選手たちも安選手のように責任を持ってボールを回していれば、違う結果だったかもしれない」「中盤から押し上げるまでのパス回しはいいが、ゴール前で躊躇するのが難点。ホン・ヨンジョ選手がいれば…」 観客らは試合を振り返ってこう分析した。 イラン戦を終えて、疑惑の残る主審の判定に激しい抗議の意を示した観衆たち。競技場を出てもしばらくはその場を立ち去ろうとしなかった。 そんな中、朝鮮の選手たちが競技場から出てきた。観衆らは「よくやった。まだあきらめるな。みんな応援しているぞ」と励ましながら、選手たちを抱きかかえたり、肩車しながらバスに乗せていた。 安選手は「競技場の外に出たとき、実は怒られるのではないかと恐かった。でもみんなが『よくやった、よくやった』と励ましてくれたので、彼らの期待に応えられるよう、最後までがんばる。希望は捨てていない」と語った。 安英学選手、同じく在日同胞Jリーガーの李漢宰選手はイラン戦の翌日に朝鮮を経った。前の晩、ユン・ジョンス監督が彼らを訪ねた。空港に送りに行けないので、あいさつを交わすためだった。 ユン監督は多くを語らなかったが、「6月にまた来い」と固い握手を交わしていた。 残り3試合。状況的には厳しいが、選手はもちろん、朝鮮のサポーターたちも本大会出場をまだあきらめたわけではない。 [朝鮮新報 2005.4.7] |